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読者の皆様更新が遅れても仕分け御座いませんでした(;_ _)(土下座)
データが今度は……文字化けする事件が起こって………(TT)折角書き上がった分も全部書き直していました。
つまり、これからまた更新が遅れます…どうか見捨てないでやって下さい(_ _)
それでは本編をどぞ。
「ではこれから異世界へ出発しますね。本当にお世話になりましたえっと……」
俺を今まで案内してくれた奴に尋ねると、驚いた様に灰色の目を丸くしていた。そして、若干嬉しそうに
「テオドールです。」
と答えた。
「テオドールさん。」
テオドールさんにはマジでお世話になったからな…恩人の名前だし、なるべく忘れない様にしよう。
「いいえ、私も見ていた興味深かったです…しかし流石に40年の修業はやり過ぎかと……まあでもあちらの世界ではこれくらいが妥当か(ボソッ……
さて、一応何処に降り立ちたいか希望は有りますか?楽しませて頂いたしこれも多少の縁だと思っているので私の権限でなるべく安全な場所に送り届けますよ。」
……マジで?
「え、いいんですか?」
「いいも何も、時間軸も同時に合わせないといけない訳ですし、する事は余り変わりないですから次いでです。」
「………何かスイマセン。」
すると、さっきまで若干空気になっていたベラさんが、口を開いた。
「えっとそれでしたら、トールエンド山脈の中央部にある屋敷って残っていませんか?」
テオドールさんはベラさん顔を向けると
「残っていますよ?…まあいいでしょう。ですが、引きこもらない事が条件ですが。」
と語気荒めに答え、そのまま睨みつける……
「私は主の意向に従うだけですわ、フフフッ」
対するベラさんは……上品に笑っているけど目が笑っていないから!!
正直に言おう……何か空気がヤバい。
暫く経ち、テオドールさんが溜め息混じりに
「まあでも、君の主の様子を見る限りだと冒険には出るでしょうね…」
と言いながら俺を見た…いや、このタイミングで振られても困るのですが……
まあでも実際、俺もこの世界を見て回りたい…今思えば元居た場所に、俺も何処か閉塞感を感じていたからね……
「ベラ、俺としても世界を見たいんだ…ずっと拘束される様な人生だったから。」
…両親の死後、俺は1人でずっとあの場所を悪い親戚等から守って来た。だから一歩も町から出た事が無い……本当は色々な場所に行ってみたかった。
だから、今度はちゃんと命有る限り色々な事を経験したい。
「……駄目かな?」
難しそうな顔をするベラさんの目を見ると、何だか無理矢理そんな事に巻き込むのも……
一層1人で旅するって言う事も視野に入れた方がいいだろうか?
まあ別に孤独ではないけどね……スライム連れて行くし。その場合、ベラは…安全な場所でお留守番がいいかな?
そんな事を考えていたら、何故か慌てた様にベラは
「いえ、主様がお望みでしたら私は何処までも従います!ええ、世界を見て回りましょう!!」
と答えた……別に無理しなくていいのに。
……まあこんな俺何かの為に着いて来てくれたら嬉しいけど。
そんな俺の考えに賛同する様に、テオドールさんはこう言った。
「世界は広いですよ。辛い事も有れば楽しい事、それから美しい光景もあるでしょうね。そして、そこで新たな自分を見つけたり出来るでしょうね。ええ、旅は素晴らしいものです……」
………心なしか、少し懐かしげな表情をしていた…同時に何故か、寂し気に。
きっと過去に何かあったのだろう…
こういう時、相手から詳しい事を話さないなら話したくないという事だから無理に詮索しないに限る。
でも、1つ分かる事としては……この人もきっと旅に出たかったんだろうけど、出られなかったもしくは旅をもっとしたかったのだろう。
なら、俺がその分も楽しんで行こう。
「ベラドナ、あっちでも宜しく。」
「イエス・マイ・ロード。」
淑女らしい例を取ると、俺の影に入って行ったベラドナ……ノーライフ・クイーンの特徴らしい。
………どうも特徴が某英国機密機関のアーカー○と被るのは気のせいだろうか?
まあいいや。
少なくとも俺の感が深く突っ込んだら負けだと警告して来る…こういう時は従うに限るんだよな。
さてと、出発しますかね。
……………………………………………
転移部屋には、巨大な門が有った。
テオドールさんがリモコン操作で門を開く……どうやらこの“転生の門”を扱う権限を持っているらしい。
………凄く偉い人にずっとお世話になっていたのだろうか?40年修業しても結局小市民な性格のままの俺は、内心ビク着いていると……テオドールさんと目が合った。
ニコリと笑っているが……何となく腹の底が見えない気がした。
ま、まあ今はともかく転移の………(絶句)
門の奥を見ると……………何処までも続く暗闇があった。しかも何故か暗闇は畝っている。
……あの闇に吸い込まれたらアボンとか言わないよね?
不安になってテオドールさんを見るが、ただただニコリと笑っているだけ………何か不安になってきた。
………俺、ちゃんと送ってもらえるかな?
すると、影から白い手が出て来て……俺をゆっくり抱き締めた。体温は無いが…何故か安心した。
まるで“大丈夫ですよ”と言われているみたいで。
………落ち着いた俺は、もう一度テオドールさんの方を見た。すると、今度は先程とは違う笑顔で
「調整終わったので、いつでも行けます。後は只あの門へ入るだけです。健康や安全に気をつけて……旅を楽しみなさい。」
と言った………俺はふと、死んでしまった家族を思い出した…スキンヘッドの親父にお袋、そして……俺の兄弟。
皆家を出る時は互いに“ただいま”、帰宅時は“お帰り”を互いに言った。
そして俺以外の家族が交通事故で亡くなる数日前の修学旅行の日も、こんな風に俺を送り出してくれた。
少し心配そうな笑顔で、大体同じ事を言って……
「…行ってきます。」
………………皆。俺は今から皆の居た所からずっと遠い場所に行ってきます。
多分もうあそこには還らないと思います。ですが、家族皆の事は絶対忘れない。
それと、早速俺に新たな家族が出来ました。もう孤独ではないです。
これからそいつらと一緒に頑張って生きて行きます。旅するので、結構危ない事をすると思いますが、後悔しない人生を歩んで行きたいと思っています。
だから……天国で安心して見守っていて下さい。
俺は一気に門まで走り、暗闇へと飛び込んだ。
全身に絡み付く闇は、徐々に俺の意識を刈り取って行く。だが、最後までテオドールさんが見守ってくれているが分かった。
お世話になりました。
有難う御座います………行ってきます。
色々事件は御座いましたが、この話しはこれから恐らく直ぐにでも冒険に入ると思います……遥君はやっぱり曲がりなりにも”裏”の仕事をしていたので、一般人より慎重な性格だと思って下さっていいです。
こっちはあくまで凡人で小市民は性格ですから…修業した所でその辺りは変わりませんw
それでは次回もどうぞ宜しく御願い致します(_ _)