表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/20

13 私の始末。

 読者の皆様更新がまた遅れて申し訳御座いません。ちょっと私生活が忙しくて中々投稿できませんでした。


 さて今回、残酷な描写が御座います。それでは本編をどぞ!


 斬る。抉る。殴る。斬る。抉る。殴る。………………………………


 単純な『作業』を始めてから、どれくらい時間が経っただろうか。


 リュウジ殿が取り逃がした施設から逃げていた連中を捕縛し、1カ所に集めてから私は尋問を行った。


 今は正に、その始末をしている。


 地下室の床は余す所無く真っ赤に染まり、細切れになった肉片と苦しげに歪んだ表情をしたゴミが散らかっている。


 尋問の結果、色々な事を知る事になった………例えば我が国上層部の一部の不正と癒着……人質を取った上で有利に交渉を勧めていたと下衆共は話していたが。


 人質となっていた子供達の中には今回の施設で行われていた実験に被検体として使われていた様だ。そして既に死んでいる者も大勢いた………


 正直同情は一切出来ない…寧ろそんな連中、私は国賊だと蔑む。


 自分で自分の子供達の首を締めた挙げ句、被害を拡大させたのだ。当然後で責任を取る事になる。良くて永久に国外追放、悪くて一族郎党拷問付きの公開処刑。


 だが、傍観していた我々も実際には大罪人だ。


 前々から知っていたのにも関わらず国の立場上、殲滅出来なかった事を物凄く悔しく思う。閣下がこの事を知れば、私以上に悲しみ、怒り、そして苦しむだろう。


 ……ああ、確かにリュウジ殿が怒るのも仕方が無い………


 我々は犠牲になった者達を“見殺した”のだ…それも、どれ程の事が行われているかきちんと調べもせずに。


 だが同時に思うのは、調べて知っていたとしても我々に何か出来ただろうかと言う疑問だ。


 出来る事と言えば、森の奥に魔獣が出ており被害が出そうなので調査して欲しいと冒険者ギルドに依頼する事位だろう。そうすれば、非人道的な研究にも厳しいギルド連合が我が国に止めさせるよう警告してくれただろう。


 そこまでしなければ、国があそこを介入するのは無理だった…それに……当然ギルドに出した依頼の事を知られて何らかの形で契約破棄される可能性だってあったはずだ。


 冒険者に限らず、ギルドだけは宗教・国家無関係に自由が許されているからな……教会が幾ら強力な力を有していても、何故かそのトップには通用しなかった様だからな。


 ある意味では、羨ましい話しだ。


 我々もそれなりに強靭な肉体の膨大な魔力量を普人族の連中と比べれば有しているのだが、如何せん人口が少なく兵力も少数精鋭の状態なのだ。


 故に、大多数が敵に回った場合……確実に負ける。


 逆らえない相手に対抗するにはどうしても圧倒的な戦力が必要であり……恐らく閣下はリュウジ殿を味方に引き入れたる事を考えているだろう。


 だが、今回の件でどなるのだろうか…


 自分も手を下している立場だが、はっきり言って我々は国民の安全を保証する立場に居るのにも関わらず、業務上過失を犯した。


 そんな国の味方で居てくれるのだろうか?


 今は安定した寝息を立てて休んでいる子供達だが、その心に負った傷は恐らく一生消えないだろう。


 後、一応私には有る程度、それこそ力を使い果たして倒れた身体を預ける程度には信用してくれているみたいだが……国や閣下に対してどの様な印象を持っているか。


 ………正直不安でしかない。


 だが、それでも我々はこの国を何とか立て直して行かないと行けない。最悪国民全員を何処か安全な国へ逃した後、我々だけで打って出る事も考えなければならない。


 そうして色々と考えている間に最後の1人となった。


「ヒッた、助け……」


「………。」


 ザクッ、ブシュー……


 正直かけるべき言葉も見付からない……今まで散々そう言った相手に非道な事をして来たのだから。


 同盟相手の国の子供を攫い、一部は施設へ、一部は奴隷。そして一部は教会の総本山へ送られた事を知った。


 国外に連れて行かれた子供は、恐らく二度と再びこの地を踏む事は出来ないだろう……あの施設と同等かそれ以上の場所に送られたのだから。


 ……増して、総本山では生贄にされているのだと尋問で知った。


 最後の屑が死に絶えた事を確認すると、俺は部屋全体を対象に浄化の炎を放った。


 この炎は主にアンデッド対策用で有り、死体等アンデッドになる要素が有るものは燃えるが、それ以外は絶対に燃えない便利な魔術だ。


 そして青い炎に焼かれる醜い肉塊を眺めながら、これから俺がするべき事をちゃんと全うしよう。リュウジ殿との約束−子供達を国で保護する−は、言われずともちゃんと実行しようと思った。


 さて、子供達とリュウジ殿を回収して帰ろう。


……………………(???)……………………


 あらあら。施設が1つ、消されてしまったようですね。


 仕方が有りませんね……全く仕えない連中だ。


 だけど、もうあそこは十分だったよね?もう“根”は大分脹れたんじゃない?


 ならもう芽吹くだけ?


 ……いや、邪魔が入った様だ。それも我々と『同格』の者によって介入された様だった…だから予定を変更する必要が有る。


 そうかな?それ程強そうでは無かったけど?


 だけど油断は禁物だよ?気を付けないと失敗しちゃうからね。


 まあ別にあの国だったら失敗した所で別に何の痛手もならないけどね。ただそうだね……別の国経由で吸い上げるだけだよ?


 なら別にいいんじゃない?

 それよりスノウデンの辺り現れた“異端者”はどうなった?上手く狩れた?

 ……失敗して返り討ちに有った様だ…それも相当な痛手を負ったとか言っていたな。

 そっか、そっか………









 それは増々潰して行かないとね?


『全ては我らと我らの子孫達が楽しむために』


 次回も宜しく御願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ