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10 俺の冒険者ライフ其のニ。

 読者の皆様どうもこんばんわ。昨日は休みましたが、今日は何とか更新出来ました。


 さて今回、前回出て来た???の正体が明らかになります。それでは本編をどぞ!


 ん?……これは追っ手か。


 音が一切しないが、野生動物特有の臭が漂って来る。その上で不自然な位気配が殺されている。


 もう一つ付け加えるなら、先程から俺は俺独自の『魔力探知』をしているから誰が来ていたとしてもバレバレだ。


 ああちなみに方法としては、只単に人間の可聴領域以外の音で歌を歌う事で音波として周囲に拡散しているだけだ。当然誰にも聞こえない……はず。


 例外としては蝙蝠等だったら聞こえるかも知れないが、ココは洞窟でもなければ蝙蝠が居そうな温暖な気候でもない。


 そんな分けで、俺は歌を歌い続けた。ちなみに何の歌かは…某千本の桜をモチーフにした青いツインテールのボーカルな女の子がネット上で良く歌っている奴だ。


 名前は著作権上テオドールさんに迷惑をかけたくないので明らかにしないでおこうと思う……本能的にもやばい感じがするからね。


 さてと、魔力の形から多分人型である事は確定。だけどそれにしても小さいな。


 まさか弱っているのか?


 でも気配から分かるが…………強い。


 流石に今の俺と戦えばあっさり負けるだろうが、この森に住む魔物の標準的なレベルからすれば明らかに1つ飛び抜けている。


 ならどうして………


 俺は興味が湧いたので、魔力の波長を周囲の木々に同化させて気配を断った。同時に歌を止めた。


 すると、俺を追って来た存在の気配が一気に漏れて来た。それも何故か焦っている様だ。


 俺は危険な魔物では無い事を祈りつつ、そいつの元に向かった。


……………………(???)……………………


 うたのほうこうにはしっていくと、そこにはぎんいろのかみをしたおとこのひとがいた。


 ちかくできくとわかる、このひとはきれいなひとだ。


 やさしいうたごえで、オレのしらないことばでうたっていた。くろいろのふくをなびかせてあるいていくそのひとにみほれていた。


 とてもはやくうごくからがんばってついていった。あとオレのことをみたらきっとほかのひととおなじようになるとおもったから、オレはがんばってオレをいないようにした。


 だけど……きえた。いきなり。


 まって。まだオレはうたをききたい。ひとりはいやだ。さびしい。


 いっしょにいて。


 なきそうになってがんばっていたら、あたまにあたたかいかんじがした。


 みあげると、きれいなひとがいた。


「はじめまして、俺は橘隆司。隆司って呼んでくれると嬉しいな。」


…………………(end)…………………


 薄緑色をした、手入れの行き届いていない長い髪の毛。青白く、今にも折れてしまいそうな手。痩せこけて顔色は悪く、身長も低い。


 捨て子か?いや、これは……脱走した奴隷か。


 俺を追って来たのはそんな少女だった。


 纏っているのはボロ布で、いまにも脱げてしまいそうだ状態だった。慌てて俺は毛布を鞄から取り出して彼女に掛けた。


 彼女は俺を怯えた様な表情で見ながらぎこちない様子で


「こわく、ない、の?」


 と聞いて来た。だから質問に質問で返すのは良くない事だと分かっていつつ、つい


「逆に聞くけど君の何に一体俺が怯える様子が有る?」


と返していた。………やべ、大人気なかったわ。


 そしたら何か驚いた顔をして


「でも、みんな、オレみると、にげる」


と言いながら俺を見詰めた………目を見ると、先程までの野生動物の様な無表情な目ではなくなっていた。


 不安で仕方の無い子犬の様な目。


 ………思わず肩を抱き締めていた。一応力加減はしたけどね…今にも折れそうな程細いから。


 そして気付いてしまった……彼女が完全に普人族ではない事に。


 だって…彼女からは“木”の気配しかしないからな……


 一応魔物兼妖精の一種として考えられているドライアドかアラクネ辺りかと見当を付けたが……どうしよう?


 確かこの国の国教は“光の教会”で、そこでは迫害の対象…あ、見えて来たわ。


 仕様がない。


 見捨てずに、助けてしまおうホトトギス。


 ………そのままだな、情緒もへったくれも無い。


 だけど冗談でも言わないとやって行けない位今は苛立っているから仕方が無いだろう?


 何でこんな子供が1人で栄養失調起こして森に放置されている?


 何で誰も助けてやろうともしなかった!!


 …………頭で分かっていても心では納得いかない。いや、分かっては居るけどやっぱり“日本人”で有った事が抜け切れていないのだろうか。


 だけど、この感覚を失ったらその時俺は“橘隆司”だと言えるか?


 それに俺ならば彼女を助けられる……authorとしてね。偽装は簡単だ。


 さて彼女のデータを暴露してみると…やっぱり樹林族か。




 樹林族。

 魔族と妖精族を遠い祖先に持つ一族で、比較的温厚で有る。だが、その髪は様々な霊薬の原料となるため狙われる。更に容姿も整っている者が多く、愛玩奴隷として人気……



 見るに耐えない内容が頭を蹂躙しそうになったので、慌てて止めた。……危なかった。


 後もう少しで危うくこの辺り一帯を文字通り“更地”にする所だった。


「……いきなりで悪いが、一緒に行かないか?」


 手を差し伸べ、彼女に尋ねた。すると彼女は目を輝かせて


「いっしょ!!いて、いいの?」


と聞いて来た。だから俺は……


「ああ、大丈夫。もう一人にはしないから。まずはその足枷を取ってから一旦奇麗にしよう。」


「うん。」


 彼女から無理矢理生命力を奪っていたその忌々しい“奴隷の証”である足枷を壊した。


 すると……目の前の少女は一気に成長し、俺と同年代位となった。


 唖然としていると、彼女がクスリと無邪気に笑った。


 ちなみに彼女のステータスを勝手に見たが……バクが発生していた。


 理由は名前が“無かった”からだった。


 ………そこは空欄になっており、他も何も記載されていなかった。ただ、俺の施した偽装で種族だけは普人族になっており、後容姿でばれると不味いので、敢えて森に呪われている状態に偽装しておいた。


 年齢も一応俺と変わらない訳だから、これで冒険者登録をすれば何とかなるだろう。暫くは屋敷で面倒を見て、その後どうするかは本人に決めさせよう。


 さて、依頼の続きをするか。だからその為に……


「いいか、今から来るお姉さんの言う事はしっかり聞くんだよ?お利口にしていたら直ぐ合えるから。」


「ほんと?」


 一瞬仄かに暗い影が彼女の深緑色の目に見えたが…きっと気のせいだ。


「ああ、だからちょっと待っていて…ベラ、悪いけど頼む。」


「…かしこまりました。不本意ですが、ここはラインハルトに任せましょう。」


「うん、先帰って風呂入れて休ませてやってくれ。」


「了解です。」


 そして彼女は不安気な女性を抱えて文字通り消えた。


 さて、俺は俺の任務を遂行しますかね。



 微妙に隆司君周辺に乱立しつつ有るヤンデレフラグ……回収する日は来るのか?


 次回も宜しく御願い致します。

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