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9 俺の冒険者ライフ其の壱。

 ども、読者の皆様どうもこんばんわ。そして更新が遅れて申し訳御座いません。今回はちょっとリアルが忙しくてどうしても投稿出来ませんでした。


 さて、今回は後半新キャラがでてきます…一応性別は女性です。それでは本編をどぞ!


 ミュンベルグ地方東部にはとても有名な樹海が有る。


 そこは『青木ヶ原』の樹海の中を少し彷彿とさせる神秘と隠密。それから『屋久島』や『白神山地』で出会った木々に見た威厳と慈愛。それらが同時に見られる何とも不可思議な場所だった。


 少なくともそれが俺の印象だった…




 永遠と広がる落葉樹と針葉樹の混在する森。空高く聳える木々は、青々と茂っていた。


 初めての冒険者活動に緊張を感じながらも胸を踊らせて、その一歩を踏み出す。すると、辺りは昼間だと言うのに森は暗く、少しだけ肌寒く感じた。


 それもそのはず。ここは元々大陸の北部に有る国なのだから。


 それは兎も角、俺はフードの付いた革製のコートの前をしっかりと締め、更に一歩、森の中へ入って行った。





 後ろから俺より静かな足跡が2つ……やっぱり心配性な2人は俺を追って来た様だ。同伴は不要だと伝えたのだが………


 だが好都合。


 俺がどれだけ2人からの師事で強くなったのか、判断してもらえる。ある意味ギルドでラインハルトさんが俺に課した試験は本の序の口。


 本丸は、これからの活動だ。


 さて、今日俺の請け負った依頼はこの森、『シャドウ・ガーデン』で見られた変異についての調査。何でも最近不気味な声や音が森の中から聞こえて来て、実際に“怪物を見た”と言う報告が有ったそうだ。


 たかが声や音と侮るなかれ。ギルド職員達や地元住民は割と重視していたし。聞いた所、以前も似た様な事が有ってその時は『スタンピード』が発生しそうになったとか。




 スタンピード。


 それは数年に一度、特に強力な魔獣の繁殖期に起こる魔物達の大移動の事で有る。普段森に籠っているおとなしめな魔物でさえ有る時期が来ると、何かを恐れる様に森から出て来るらしい。


 そして奴等は只ひたすら何かから逃げる様に、前方にあるモノを何でも“踏みつぶして”我先にと進む。いや、只気付いていないだけなのかも知れない。だが、そんな事をされれば街の住民は堪った物では無い。


 それに肉食獣も中には存在するので武力の手段を持たない町民が餌食になり得るのだ。


 故に『スタンピード』の発生は、街の消滅だと言われているそうだ。


 何とも恐ろしい話しだ。




 さて、そんな分けでAランク冒険者になった俺はこの調査依頼を受ける事にした……つか、これ以外無かったので仕方なく受けた。


 ま、まあでも、森の中に冒険気分で入っているのは否めないけどね。それにここって滅茶苦茶奇麗な場所でもあるし。


 森の中は確かに暗くて肌寒い。だからはっきり言って不気味だ。もしコートを羽織っていなければとっくに風邪でも引いているだろう。


 だけど、森の天井を見上げると……緑や蒼、黄色、そして時々紅いステンドグラスの様な光景が広がっている。


 葉が太陽光に透かされて見える光景なのだが、余りに美しかったので一瞬息するのも忘れたくらいだ。


 そして森の澄んだ空気には白い綿の様なモノが浮いており、それが様々な色の光を受けて何とも神秘的に見えるのだった。


 ………ここにカメラが無い事が悔やまれる。今度頑張って作ろうかな。


 さて、移動するか。


…………………(???)…………………


 うたが、きこえた。


 きれいなうたが。よくおぼえていないけど、きいたことのあるうた。


 だけど………オレからすぐはなれていった。


 それからだいぶたってから、なぐられてけられた。しかも『ナナシ』とぼくはなづけられてまいにちまいにちいたいことをいわれた。


 まいにちからだにいたいことをされて、こころにいたいことをいわれた。


 だけどオレはたえた。いつかあのうたをまたききたくて。


 そしてあるときぼくは、つよくいたいとかんじた。そしたらだんだんちからがぬけてきて、つめたくなってきた。


 ああ、このままだとあのうたはきけなくなる。いやだな。


 そうおもったら、いたいのがいきなりやんだ。そしていたいことをしてきためのまえの“ドレイショウニン”というひとたちがみんなあおいかおをした。そしてそのままゆかにたおれてうごかなくなった。


 さいごのひとりにオレは


「お前はナナシではなく、只のバケモノだ。」


といわれた。いみはわからない。


 だけど………こころがいたい。


 いたいのもさむいのもいや。だからがんばってにげた。


 だってオレをみるとみんなこわいかおできずつくことをいってくるから。


 でもむだたった。


 にげたきがたくさんあるところは、しらないいきものがたくさんいた。ことばはわからなかった。だけどみんなオレにいなくなれっておいかけられた。


 こわかった。


 だれもたすけてくれない。


 ねえ、だれでもいいからたすけて。なんでオレばっかりきずつかないといけないの?


 もういやだ………こわいよ。


 おなかすいた。さむい。こわい。いたい。いやだ。


 もういやだ。


 ……あれ?


 うた?だけどあのうたとちがう。


 ちがうけどおなじだ。


 やさしいおとだ。ちょっとだけいってみよう。


 もしかしたらいたくないかも。やさしくしてくれるかも。


 次回も宜しく御願い致します。

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