5 私の主様。
読者の皆様どうもこんばんわ。
今回は……少しベラさんのヤンデレ部分が露見しますかね。ああでも殺人描写も一切無いです。では本編をどぞ!
……………………(ベラドナ)……………………
この世界に戻り数日となりましたが……五月蝿い羽虫が最近我々の近辺をうろちょろと………
—ああ一層の事、潰して差し上げましょうか?
主殿も気付いて居るご様子で、苦笑されています。
「バレバレだからね……何がしたいんだろう?」
本日の朝食を一緒に頂いている時に主…リュウジ様が仰せられていましたわ。
本当に、気配の消し方も分かっていませんわね…
ただ、1つだけ感心する点が有るとすれば、リュウジ様より“異種族”としての気配を消すのが上手い事でしょうか?それに集中し過ぎた結果我々に気配を察知されているのでしょうけどね……
リュウジ様はこの世界に降り立ってからそれほど時間が経っておりません。そして現在この世界について書庫で学んでおられます。
そしてこれが肝心な事ですが……リュウジ様はまだこの世界で生きて行く上で必要な技能を完全には身につけていないです。
それも仕方の無い事…あれほど安全な国で育った方なのですから。
ですがそろそろこの屋敷から世界を見て回りたいと仰せられましたし、私の指導も本腰を入れましょうかね。
私の前主殿家のメイド長に幼少期より仕込まれた数々の技能。その内リュウジ様が必要なものは全てお教え致します。
そして出来れば…料理、教えて頂きたいです。
…………………(橘隆司)…………………
さて、今日で異世界に来て1ヶ月が経ったが…これまで修業とか一般常識の為の勉強とか大変だった……と言う事も無く、結構楽しかった。
だって何かRPGや漫画に出てきそうな世界観とか色々覚えるのに苦労するか?それに修業も俺のチートボディーと40年の下積みのお陰で全然苦労しなかった。
只1つ難があるとすれば……危機感の欠如だろうか?
『この世界は常に弱肉強食で、油断すればあっさり死ぬ命の軽い世界。日本みたいに安全では無い。』
頭でそれは分かっているつもりだけど……あくまで“つもり”ってだけ。断言出来る、絶対分かっていないって。
つか、何となく世界観がファンタジー過ぎる上にステータスが始めからやばい事になっているせいで……ここが『現実』だと心から認識はしていないんだよな。
何て言うの?頭で分かっていても、どこかここが全て“夢”だって思えるって言うの?……う〜ん…何と言うか、“自分が自分で無い別のナニカ”見たいに感じるのと言えばいいのか?
まあそんなずっと白昼夢を見ている様な感じ何だよ。
そんで…この世界は当然物騒だから命のやり取りは日常茶飯事。つか、この国も表向きは“光の教会”だから何時的に回るか分からないからな………
うん。テオドールさんの助言通り、さっさと旅に出たい。
つか、まあこれからあと数ヶ月したら麓の町まで出て冒険者ギルドに登録する予定だけどな!
そう……後は俺が“完璧”に普人族の気配だけに出来るかどうかにかかっているんだよ。
ベラさんも俺が何度失敗し様がずっと黙って修業に付き合ってくれるからな……何だか悪い気がする。
冒険者になって稼いだら、そのお金でベラさんに何か送ろう……何がいいだろう?
ま、でも取らぬ狸の何とやら言うし、今は修業第一。
さて、今日も気相容れて行きますかね!
そう気合を入れ直した時だった……各部屋の窓辺に2人ずつだから…50人はいるか?後は玄関に50人か…計100人。
それと、屋敷にわざわざ侵入して来て現在既にベラが取り押さえている奴……不味いな。
このままだとベラが皆殺しにする…少し急ぐか。
……………………(ベラドナ)……………………
「我々は国王に派遣されて来ただけだ、出来るならば接触を測れと。危害を加えるつもりは無い!!」
羽虫が私の前で何か言っていますが……仕方が有りませんね。
「ええ、貴方達は私と主様に傷を着ける処か触れる事も敵いませんわ……これから死ぬ「はい、ベラ。ストップ!」…主様?」
慌てて走って来た主様は少しお怒りのご様子ですね……
「ベラ、彼らは多分俺達にマジで手出ししようとか思っていないよ?大体そんなに傷付けなくても無力化出来ただろう?多分城に侵入して来たって事は、そこまでして接触を測りたい理由でも有るんじゃない?君、どうなの?」
主殿は捕らえた虫の前に跪くと、治療を始めた。ちなみに主様がストップと命令された時に拘束は解きました…不穏な動きをすれば、直ぐに殺せますし。
「…申し訳御座いません、ホウゼンクラウス伯。不法侵入等の無礼な行いに対しては私が全面的に後ほど責任を取ります。ですが、我が閣下が辺境伯殿と接触を測りたいと命じられたのです…」
「え、つまり招集って事?」
「いえ……私が今お会いして感じた事ですが、その、無礼を承知で申し上げますが、辺境伯殿は我々と比べてその…その身に有ります多種族の気配を消すのが……」
「ああ、分かっているから今修行中ね。それで?」
「その…非常に申し上げにくいのですが……私が指南に当たれと閣下に命を受け、此方に馳せ参じた次第に御座います。」
羽虫は主殿の治療魔術とその隠しきれない存在感に恐縮しながら続けて事情を話しましたが……指南ですって?
「聞き捨て成りませんね。私が現在主殿の指導に当たっていますから貴方達は即刻帰還して下さって結構です。いいえ、今直ぐ私の目の前から消え「ベラ、言い過ぎ。」…申し訳御座いません。」
………私はまた余計な事を……………すると、何だか温かくて気持ちのよい感触が頭上からしました。
「(やばい、言い過ぎたかな……)いや、ベラドナの言い分も分かるんだけど、だけどさ、一応この人達ここへは仕事出来ている訳だから、あんまり責めないであげてよ。少なくとも別に敵意持っている訳ではない訳だしね。」
頭の上にはリュウジ様の温かい手が乗っていました………大きくて優しい手触りに、惚けそうです。
そして、リュウジ様はいい終えると少しだけ鋭い目つきで侵入者を見詰めた瞬間……一気に空気が重くなった。
私でさえも呼吸が苦しい……リュウジ様、威圧の調節がまだまだですね…相手が一般人だったら既にこれだけで窒息死していますよ?
「家の家政婦兼従者が悪いね。だけど、家を囲んでいる上に四六時中監視って言うのは……相手に余り良い印象を抱かせないと思うけど?敵対したい訳ではないなら分かっているよね?」
終始笑顔(…但し目だけは笑っていません)でいい終えると、侵入者は真っ青な顔で見事な土下座をしました。
「は、はい。申し訳御座いませんでした直ぐに部下を下がらせますから皆殺しだけはどうか…全ては私の責任………」
一気に威圧が消え、目の前の侵入者は物凄い脂汗をかきながら床へ崩れ落ちました……一気に緊張が解けたのでしょう。一応雑魚ながら今の威圧で意識を保っていただけでも賞賛に値するでしょう。但し少し毛が付いた程度の雑魚ですけどね。
「…いや、悪かったよ。少し威圧し過ぎたかな…まあいいや。そんな分けで一応この屋敷の監視者は引込めてくれるかな?最近君達頑張り過ぎていたからベラの殺気もやばかったし…だから一応お願いだよ。」
……そんなに殺気を撒き散らしていたでしょうか?
「でも危なかったね。ベラ、一応この人は俺の客人として扱うからね。大体ベラもさ、この国全部的にまわしたくないし…面倒だから。責めて殺すにしても確認してからにしよう?」
私が驚いた表情を浮かべたからでしょうか、少し呆れた様子で主殿は
「まだ俺はあんまりよく分かっていないけど、兎に角“光の教会”とかやば目の連中に目を付けられたらおしまいだから自分の生存の為に命を刈り取るのもやぶさかではないよ?…とは言っているけど、結局まだ覚悟している『つもり』なんだよな………」
と答え、遠い目をしました。
そうですよね?この方は安全な場所で暮らしていたのですから人等を含めて命を直接断った事は無いでしょうからきっと始めは苦労するでしょう…皆通る道ですから仕方が無いです………
「今それについて話しても仕方が無いから置いておいて、取り敢えず…ベラも無理な時は仕方が無いにしても頭に血が上り過ぎ。少し冷静にね?」
「……………はい、申し訳御座いません。」
「まあそんな分けで…この人どこかの空き部屋のベッドに寝かせといて…気絶しちゃった様だから。」
見ると…股間部分を濡らして気絶していますね。汚いです…後で掃除する身にもなって下さいよ!
「ああそれから後で威圧抑えるコツもう一度教えてもらっていい?まだ身に付いていないみたいだから。」
「かしこまりました!!」
ええ、リュウジ様の為でしたら文字通りなんでもさせて頂きますわ!!
さて、汚物はさっさと部屋に放置して訓練場に向かいますかね。
次回も多分、時間(今回は1ヶ月でした)が少し進みます。宜しく御願い致します。




