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彼女と僕シリーズ

J-POPなのだから

作者: 朝永有
掲載日:2015/02/13

「続いての曲は……」

 DJはそう言って次の曲をかけた。

 彼女は海を見つめながら何を考えているのだろうか。

 横目で見る彼女の表情から、僕は想像を膨らませるしかない。

 そんな静寂の中、ラジオから流れる音楽がその隙間を埋める。

『君はミステリー ハートは君のせいでブレイク寸前』

 知らない男性の声だった。これが世間でははやっているのだろうか?

「ねえ」

 彼女が口を開いた。

「どうした?」

「この曲、人気なの?」

「いや、知らないなぁ」

 僕の言葉を受けて、彼女は言った。

「なんでさ、日本人なのに日本語で歌わないんだろう?」

 確かになぁ、と僕は頷く。

「まあ、全部英語の歌詞! ならまだ分かるよ。でもさ、どうして日本語と日本語の間に英語を挟まなければいけないの!」

 いきなり彼女が隣でヒートアップしている。

 僕は運転に気をつけながら答える。

「リズムとかに合わせるためじゃないのか?」

「そうであったとしてもさ、やっぱり日本語なら日本語で歌ってほしいよ! 大体さ!」

「大体?」

「そういう人は英語下手なんだから!」

 おお、それは歌手だけでなく、多くの人を敵に回してしまうのではないか?

「でもさ……」

 いきなり彼女はトーンを落とした。

「どうした?」

「こういう音楽のことなんていうか知ってる?」

「もちろん、『J-POP』だろ?」

「そう。『J-POP』」

 それの何が悪いのかいまいち分からない。

「つまり、この『J-POP』という言葉を使っている時点で、私たちは英語を使うことを容認してしまっているのよ」

 言われてみれば、歌謡曲や演歌と言われると日本語のみな感じがする。でもJ-POPと言われると何でもありなような気がしてならない。

「さあ、目的地までもう少し! ラジオなんか消して何か喋ろうよ!」

「始めからそうすれば良かったな」

 そして僕は英語っぽくない英語を歌う歌声を消した。

読んで頂き、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今まで、考えも思いもしなかったようなところに目がつけられていて、面白かったです!会話調で書かれていて、とても読みやすかったです(*^^*) 日本語の合間に英語ってルー大柴さんみたいですね(…
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