追記 ダイジェスト版
追記 ダイジェスト版です。
やり手の、一流商社マンだった『佐久間 実太』(さくま みひろ)は、人からこう呼ばれていた。
『あくまみたい』。
その名の通り彼は、悪魔のような冷酷な一面を持つ人間だった。
ある日、実太はあることがきっかけで、異世界に迷い込むことになる。それは、仮想現実の世界。
彼は『魔王イシュケル』として、転生し世界を滅ぼす役目を負わされた。
敵は、自らが仮想現実で育て上げた『勇者イセリナ』
お目付け役のマデュラに、試練を与えられ魔王としての資質を開花させていく。
圧倒的不利なイシュケルが魔王軍は、戦力を強化するために、『黒龍石』を求め人間界にイシュケル自ら降り立った。
魔王になったとは言えまだ非力なイシュケルは、イセリナとの戦闘を避ける為、人間として近付く。何の疑いも持たず、イシュケルに手を貸すイセリナ。
そんなイセリナに、イシュケルは惹かれていった。
一方イセリナは、『魔法使いウッディ』と『竜騎士暁』を仲間に迎え入れ、魔王討伐に必須な伝説の武具を探し求めていた。
そして、呪い館に君臨する共通の敵『魔シン族』との戦いをきっかけに、共闘することになる。
無事、魔シン族を打ち破ったイセリナとイシュケル達だったが、イシュケルの様子が豹変する。
自らが持つ『嘆きの剣』に洗脳され、イセリナに襲い掛かるイシュケル。
イシュケルは、イセリナに敗北し瀕死の重症を負うが、駆け付けたマデュラのお陰で一命をとりとめる。
叶わぬ恋とわかっていても、交差する二つの思い。
しかし、イシュケルの記憶は、マデュラによってかき消され再び魔王の残虐さを取り戻してしまう。
再び剣を交えるイシュケルとイセリナ。
戦いの中で、イシュケルは記憶を取り戻し、自らの過ちに気付く。
「さぁ、俺を殺せ!」
イシュケルは、剣を喉元にあて、殺せと言う。
だが、イシュケルを思うイセリナは、それを実行せず逃がしてやる。
イシュケルは、記憶をかき消したマデュラに向け、剣を向ける。
そこで、イシュケルは全てを知った。
自分は本当の魔王ではなく、魔王ジュラリスに捧げる生け贄であり、それまで魔界を束ねるだけの影武者だったと言うことを。
一方のイセリナは、着々と伝説の武具を集めていた。
残る武具はあと二つ。
先の戦いで知り合った『ドーガ』が操縦する魔導船で、空中庭園へ向かう。
イシュケルはというと自らを戒めるジュラリスを倒すには、イセリナの力が必要だと知り『黒龍』に乗りイセリナの後を追う。
空中庭園でイセリナ達とイシュケルは共闘を再び誓う。
囚われていた『天空人サハン』を仲間に加え、ルビデスパレスを支配していた裏切りの魔族を倒す。
そして、舞台は決戦の地、魔界へと移る。
魔王ジュラリスが、封印されているガルラ牢獄へ赴くイシュケル達。
そこでは、これまで倒した強者が姿を変え再び襲い掛かる。
ジュラリスが眠る場所まであと少し。
そこで現れたのが、死人の『伝説の勇者ラック』と『ドーガ』
ラックは、イセリナに『真・天地壮烈斬』を伝授し、最後の伝説の武具を渡すと成仏した。
いよいよ決戦を迎える。
圧倒的パワーのジュラリス。
イセリナの真・天地壮烈斬も通用しない。
そこで、イシュケルは言う。
「二人の技を融合しよう」と。
その技の名は『真・天地壮烈魔斬鉄』
憎き、ジュラリスは断末魔を上げた。
かつて不可能と言われていた人間と魔族が、手を取り合う平和な世界が訪れた。
イシュケルはそのまま魔界を治め、イセリナと長き戦いの末結ばれた。
やがて、魔王と勇者の間に子供が生まれた。
平和な世界は、ずっと続くと思われた。
が、しかし……。
ご愛読ありがとうございました。
この物語の十五年後の物語を連載中です。
タイトルは、『魔王と勇者の間に生まれた魔勇者』です。
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