伝説の武具のありか
◇◇◇◇◇◇
「お~い、皆!」
情報収集からウッディが、遅れて帰ってきた。
「ウッディ、情報は得られた?」
イセリナは、戻ってきたウッディに問い掛けた。
「全然ダメ。強いて言うなら、アルタイトから見えるあのガナン火山が怪しいって事ぐらいかな」
イセリナ達は、伝説の武具の有力な情報提供得られず、肩を落としていた。
「仕方ないわ。ウッディの得た情報の、ガナン火山に行ってみましょう。ここで、じっとしてても埒があかないし、それにモンスター達を野放しには出来ないわ」
「イセちゃんの意見に賛成~。ちょっと暴れたい気分」
「決まりだな、で、どうする? もうすぐ日暮れだけど」
「宿を取りたいとこなんだけど、さっきから何かイヤな予感がするのよね……」
イセリナは、直感的に何かを感じ取っていた。
「イセちゃんが、そう言うなら行こう。僕らは平気だよ。ねぇ、ウッディ」
「ん? お、おうよ」
宿を取れると思っていたウッディは、強がって暁に合わせた。
三人は歩幅を合わせ、アルタイトを後にした。
アルタイトを囲む、強固な壁を背に歩き出すと、目の先には灼熱のマグマを垂れ流すガナン火山が見える。
アルタイトに到着した直後はわからなかったが、比較的大きな火山だ。
本当に、あの火山に伝説の武具が眠っているのだろうか?
不安はあったが、他に手掛かりがないイセリナ達は、そこに向かうしかなかった。
ガナン火山に近付くにつれ、熱風と火山灰がイセリナ達の行く手を阻んだ。
◇◇◇◇◇◇
一方魔王サイド
イシュケルとマインドフレイムは、いち早くガナン火山火口付近にやって来ていた。
「凄い、マグマだな。本当にこんな所にイセリナ達はやってくるのか?」
「もちろんです、イシュケル様。あれを御覧ください」
マインドフレイムが示す場所には、伝説の武具の一つ、『伝説の盾』が奉られていた。
「あんなものどうやって、取るのだ?」
イシュケルはマインドフレイムに問い掛けた。
イシュケルがそう思ったのも、無理はない。
伝説の盾の周囲は、定期的に火柱が上がり高熱のガスが噴き出していた。
「我輩なら、可能です」
マインドフレイムは、全身に纏ってる炎を開放し、ゆっくりと火柱に向かって歩いていった。
マインドフレイムは、周囲の炎を吸収し、更に身体に纏った炎を増幅させ、意とも簡単に伝説の盾を拾い上げイシュケルのもとに戻ってきた。
「素晴らしい。マインドフレイムよ、気に入った」
イシュケルは、マインドフレイムの実力を知り絶賛した。
「気に入ってもらえましたか、イシュケル様。我輩の力はこんなものではありません」
マインドフレイムは、伝説の盾を地べたに放置し、更に技を披露しようしたが、イシュケルはそれを拒んだ。
「マインドフレイムよ、もう良い」
〈技を見せたがるのが、たまに傷だ〉
イシュケルが、そんなことを考えていると、イセリナ達の声が聞こえてきた。
「あれ? イシュケルじゃないの? なんで……、イセちゃんの言ってた通り、イシュケル生きてんじゃん」
イシュケルに気付いた暁は、イセリナとウッディに知らせた。




