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29話 サブスキル


 






 相手は思ったほど強くなかった……いや、そんなこと絶対になく、殺されそうにはなった。だが、仕留めるのがあまりにも簡単だった。俺はすでに死んでるとタカを括ってたのだろう。それが命取りだったわけだ。


……大丈夫だよね?敵、死んだよね?



 こいつの二の舞を踏まないように確認したが、問題はなさそうだ。やっぱ上司(?)の『首刈り』の方が強かったな。雲泥の差、ってほどの違いでもないか。




「救世主様……」



 お、分かるのか。ふふ、俺も有名になったもんだ。



「助けてくれてありがとう」



 いくら俺が未成年とはいえ、様をつけて呼ぶ相手に敬語を使わないのはどうかと思う。いや、それを言ったらイザベラさんもそうか。



「いえいえ。あと、僕でも腕を再生させることはできないので……」



 男はかつて自らの腕があった空間を見る。



「大丈夫だよ。君のおかげで痛みもほとんどないし」


「よかったです。あなたの名前は?」


「僕はレドナ=シャーリッツ。前回の戦争で『ドグリア』を与えられたのさ。まあこんなザマだけど」



 『ドグリア』?聞いたことあるな。なんだっけ。聞こうと思ったが、今そんな余裕はない。



「歩けますか?」


「ああ。馬には乗れないけど。あ、ちょうど救護が来た。僕のことはもう大丈夫だ」


「わかりました。じゃあ」


「うん、本当にありがとうね」



 なぜだろう。彼の俺を見る目には何かしらの負の感情が紛れているような気がする。僕なんか恨まれるようなことした?いや、命を救ってあげたんだしそんなはずはない。そうだ、きっと気のせいだ。気のせい気のせい。



 戦線に戻ってきた。戦いは均衡しているようだ。魔術ぶっ放して盤面を変えよう。そう思って詠唱する。




「フレイムウォール!!」



 あれ?



「フレイムウォール!!フレイムウォール!!」



 なんで?



「フレイムウォール!!!」



 魔法が撃てない。






ーーーーーーーーーーーーーーー






 戦が終わった。今回の勝者もテリア公国だった。

 テリアの宮殿にいる誰も彼もが歓喜した。そして、救世主を褒め称えた。

 だが、その救世主、俺の心はどんよりとしていた。

 何故かって?魔法が撃てなかったからさ。今はもう撃てるようになったが、何故あの時撃てなかったのか。あのとき魔法を使っていれば、何人もの味方の命が救われたのに。後悔しているのだ。



「アダム、大丈夫?」



 カリンが声を掛けてくる。



「うん」


「……魔法のことなら、コルミナさんに相談するといいよ」


「コルミナさん?」


「うちの国の魔法関係の偉い人」



 なるほど、その人に聞けばなぜ魔法が使えなかったか分かるかもしれない。それでも後悔は消えないだろうが……



「と、とにかく行ってみようよ!コルミナさんはちょっと……あれだけど」



 カリンに無理やり引っ張られるような形で出発した。




〜〜〜〜〜〜





「……ふむ」



 コルミナさんは、出会うなりこちらを注意深く見つめてきた。


 

「……何ですか?」


「おっと、失礼。私は初対面の人をじっくり観察してしまう癖があってな」



 癖の癖が強い女性みたいだ。




「私はコルミナ。魔法関係の研究をやっている……それで、用とは?」


「コルミアさん、あのね」


「カリン、黙りなさい。私は救世主様に聞いているのよ」



 うわあ、怖。



「えーと、前のいくさで、急に魔法が使えなくなったんです。今は使えるんですけど、その理由がわからなくて」


「成程、それは……」



 彼女は少し考えたあと、質問してきた。



「その前に魔力を大量に消費した記憶はないか?」



 うーん、植手を使ったくらいかなー。別に腹パンされて魔力が減るわけでもないし。



「いや、ないです」


「そうか、魔力枯渇ではないか……いや、救世主様の魔力が不足することなどほとんどあり得ないが……本当に何も無かったのか?」


 

 あ、そういえば。



「なんか変な声が頭に響いてたような」


「ほう?」



 彼女が関心を示した。


  

「何と言っていたか、覚えているか?」



 えーと、たしか……



「サブスキル『身体損傷回復』がなんちゃらかんちゃらみたいなことを……」


「おお!」



 えっ、分かったの?



「これが、何か関係あるんですか?」


「ああ、『身体損傷回復』は能力持ち主の魔力をほとんど使う代わりに重大な損傷を回復する能力、サブスキルの一つだ」



 サブスキル?なにそれ。え、てか能力(スキル)って、増えるの?



「サブスキル、なんてのがあるんですか?」


「ああ。だがそれを持つものは少ない。固有能力(オリジナルスキル)を持つ者はサブスキルを習得する確率が高いと考えられている」



 なるほどね。



「ありがとうございます。すっきりしました」


「力になれて良かった。他に聞きたいことはないのか?」


「あ、一つあるよ!」



 答えたのは俺ではなくカリンだった。コルミナさんが眉をひそめるが、お構い無しに続ける。



「えーと、10日くらい前の戦いで、なんか急に強くなったんだよね?それでおでこに変な模様ができたって」



 あー、そんなことがあったな。



「おお……!!」



 コルミナさんが過去最高の反応を示した。



「戦争が終わったら、少し付き合ってもらおうか」



 え、何?怖いんですけど。









 1000PV突破!!!!!ありがとうございます!!!!


 では、また次のお話で。

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