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1話 第2の誕生






 目が覚めた。


 俺の目には、みすぼらしい家の内装が映っていた。

 

 ここは、どこだ…?

 考える前に、涙が出てきた。そして、



「おんぎゃあ、おんぎゃあ」


 俺は泣き出した。



「サロメ!でかした!元気な男の子だ!」


「あなた、、、よかったわ、無事に産めて、、、」


「サロメ、体の方は大丈夫か?」


「ええ。大丈夫よ。それよりあなた、赤ちゃんの心配をしてあげて。」

 

「なに、こいつぁこんなに元気に泣いているんだから問題ないさ!」

 

 

 なんだ、こいつらは誰だ?角が生えてるし、人間じゃないのか?なんでさっき俺は勝手に泣き出した?ていうか、そもそも俺は死んだはずじゃ?


 次々と浮かぶ疑問。混乱が俺を襲った。





〜〜〜〜〜〜





 どうやら俺は生まれ変わったらしい。しばし困惑し、おくるみに俺の体が包まれたころにそう結論付けた。

 俺は輪廻転生など信じていなかったが、何故かスッとその結論を受け入れることができた。

  


「かーわいいな、よしよし」



 一旦落ち着いて、今俺の頭を撫でまくっている、俺の父だと思われる人物を観察してみよう。   

 彼の頭には小さな2本のツノが生えている。この世界の住人はみんなこうなのだろうか。着ている民族的な服は紅と緑の二色で染められている。キリッとしていて、どこかだらしないような顔立ち。前世で一度だけ会ったことのある祐介の父と少し似ている。よく見ると、頬や腕にいくつかの傷がある。

 

 そんな彼と俺を見つめて微笑んでいるのが俺の母(多分、、、)の、確かサロメ?だっけ。彼女は1本しかツノを持っていないようだ。緑の髪に少しだけ金髪が混ざっており、おっとりとした優しい笑みを浮かべている。


 お産の後処理をしている金髪の女性はこの家の侍女だろうか。ポーカーフェイスで綺麗な顔だ。俺好み…おっと、そんなことはどうでもいい。なぜか転生を受け入れられた俺にはそんな巫山戯たことを考える余裕もできてきた。


 前世での後悔もあるが、この世界で頑張って生きていこう。俺はそう決意した。








ーーーーーーーーーーーーーーー








 あっという間に1ヶ月が過ぎた。


 おそらく、俺が生まれたこの家はかなり貧しい。まだ外は見たことないけど、なんとなくそんな感じがする。

 

 すると父が『うちも貧しいからな、あまり物を買えないんだ。すまんな』と言ってきた。相手は言葉が通じるとは思ってないだろう。残念、通じてます。にしても、うちが貧しいという予感は当たってた。俺SUGEE。

 前世からそうだったが、俺の察知力がすごいということだけはサバンナでも自信を持って言えるね。猛獣から逃げれるかは知らんけど。


 あ、そうそう。やっぱり(てゆうかどう考えてもそうだと思うけど)あの2人は俺の親だった。


 父はレメク=Y=マーシー。村で護衛をやっているらしい。


 母はサロメ=マーシー。いわゆる専業主婦だ。俺はまだ彼女の乳を飲んでいるが、彼女は家族分のご飯を作ってくれる。ご飯は木の実が中心で、たまにレメクが獲ってきたであろう獣の肉が出される。かなり美味そうだ。


 で、あの侍女みたいな人はサロメの妹、つまり俺の叔母である、リィカ=サーナだ。料理以外のほとんどの家事を1人でやっているらしい。この世界では常識なのだろうか。・・・なんで料理だけやらないのかな?


 そうだ!!俺の自己紹介もしなくちゃ!!

 俺のこの世界での名前は、『アダム=マーシー』!!

 よろしくな!!


 で、俺は基本布団の上でずっと寝かされている。そしてオムツに用を足し、リィカさんにおむつを替えてもらう。彼女は常に俺好みのポーカーフェイスを貼り付けているため何を考えているのか、俺の察知力を持ってしてもよくわからない。

 そして、たまに父だか母だかに抱っこされてスヤスヤと眠り、起きた後はルームツアーをしてもらう。腹が減った時は大声で泣いて母さんを呼ぶ。

 

 そんな毎日が続いた。





ーーーーーーーーーーーーーーー





 そしてさらに5ヶ月が経った。


 その日、俺は初めてお座りができた。



「あ、お父さん!アダムがお座りできたわ!」


「おおお!アダム、すごいじゃないか!やったな!」


「・・・」


 父さんも母さんもとても嬉しそうに褒めてくれたが、リィカさんだけはいつものようにポーカーフェイスで無言だった。

 とはいえ、これだけでめちゃくちゃに褒められるとか、赤ちゃんライフまじちょろいわー。




 そして最近、離乳食を食べるようになった。離乳食は、いつもみんなが食べている木の実を粉末状にして、水で薄めたようなものだ。正直にいうと、クソ不味い。なんかこう、『繊維!!』って感じの味。前世で個人的苦手だったココナッツミルクの味にちょっと似ている。


 こんなもの食べたくないので食事の時は毎回泣き喚いて抵抗するがその抵抗虚しく、毎回リィカさんによって無理やり食べさせられる。多分、この過程、離乳食のレパートリーがこれしかない。地獄か?ここが地獄か?


 もうやだこの世界。帰りたい。

 うわああああん。








 1話あたりの文字数をどれくらいにするか迷い中・・・


 では、また次のお話で。

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