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銀河戦國史 (漂泊の星団と貴賤の騒擾)  作者: 歳超 宇宙(ときごえ そら)
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第19話 庶民の幸福 (本編最終話)

「わっははははは・・、お前、また、プサイディアねえさんの画像に慰めてもらってたんか。

 今や唯一の心のより所やな、その画像は、お前には」


「そんなん言うなや。今の領主から派遣されてる管理官に文句言われんの、もうこれで百回超えてんねやで、わし。やっぱり、うらまれてるんやわ、前にボロカスに言うてもうたこと。

 あの領主の元に戻されるって分かってたら、あんなん言わんかったのに、失敗したわー」


「別に、ボロカスに言われたこと、恨んでるわけやないやろ。文句言われんのは、お前がヘマやらかしたからとちゃうんか?

 わしなんか、前よりええ扱いしてもらってるくらいやで。

 何やかんや言うても、良心的な領主はんやで、あれは」


「そら、お前は、嫁の乳触らせて機嫌とって来たから、ええ扱いしてもらえるんやろ」


「せやから、ちゃうって何回言わせんねん。わしだけやないやろ。たいがいみんな、前よりええ扱いしてもらってるやろ」


「まあ、前までと比べたら、今の方がええ扱いかもしれんけど、お前とは差つけられたままやねんから、納得いけへんわ。

 報酬の増え方、お前ひとりだけ、めっちゃみんなを上回ってるやんけ」


「それはそうやろ。

 わしはやな、前までやってた小惑星かち割る仕事に加えて、物資の星系外への搬出入の管理なんて言う、前までは管理官がやってた仕事まで引き受けてんのんやで。

 領主はんも管理官も、忙しくなって手が回らんからいうて、わしに色んな仕事持ちかけて来るんやからな」


「せやから、何でそれが、お前ばっかりなんやっちゅう話やんけ」


「もちろんそれは、信用と実績やな、はっきり言うて。

 わしにはそれがあるから、仕事も報酬もいっぱい回って来んねん」


「おかしいわ、そんなん。新しい仕事に関しては、スタートライン一緒にしてもらわんと」


「そんなわけに、いくか。新しい仕事やからこそ、今まで信用と実績を見せて来たヤツにしか、任せられへんねやないか」


「知らんわ、そんなん。わしにもやらせろや、その新しい仕事。ちゃんとやったるから。

 ほんで、お前の報酬半分わしによこせや」


「嫌に決まってるやろ、そんなん。お前になんか、ちゃんとやれるわけないし」


「やれるわ!その端末でやる作業もあんねんやろ、貸してみろや、わしに、ちゃんとやったるから」


「嫌や、触るな。お前に触られたら、できてるもんも、でけんくなってまうわ」


「ええやんけ、ちょっとか貸せや。うぃっ! 」


「貸さんちゅうねん、ほいっ! 」


「またか、よう暴れよんな、こいつら」


「貸せっ、せやっ、あっ、惜しかったっ! 」


「やばっ!ちょぅっ!絶対、貸さん」


「こっち来るなよ、こっち来るなよ、こっち・・・・来たぁっ!やめ、やめ、やめ! 」


「お前が動くから・・・・でやっ! 」


「お前があきらめれば・・・・しゃぁっ! 」


「貸せ、ぬんっ! 」


「ふぉっ!貸さん! 」


「ぎうっ! 」


「ねやっ! 」


「うっ! 」


「ほっ! 」


「ぎゃあっ! 」


「こらっ、おっさん、どさくさに紛れて人の嫁はんのケツ触んな、ボケッ! 」


「よう飽きひんなお前ら、こんなんばっかり」


「ほんまやわ。もとの領主のところで、とりあえずはみんなが前よりは、良い暮らしをできるようになったんやから、もうちょっと仲良うしたらどないなん」


「せやな。コイツとこんだけ差ついてるのは腹立つけど、みんな前よりは、ええ暮らしになてるもんな。

 前は東の分王国やった、あの領主のとこに行かされてたら、こんなんはあり得へんかったやろうからな」


「そうなんか。王国統一されたから、東の分王国やったところの領主はんも、態度が変わってるんとちゃうかな? 」


「そんなすぐ変わるかい。もと航宙民族の領主はんやもん、ええ感じの所領経営なんか、簡単にはできるようにならんで」


「わしもそう思うわ。東なんかに行かされんで、ほんまによかったわ。

 トラヴィヌセンの王さんは、やっぱりえらい人やで。あの人が北や東に勝ってくれて、大助かりやったわ」


「その母親やったプサイディアねえさんも、まさに女神さまやね。

 今や、あっちこっちの端末の待ち受け画像になってるから、1日に何回も見るけど、見るたんびに崇めてしまうわ」


「うん、うん。なんちゅうても、美人でプロポーション抜群やもんな。見とれてまうわな。うっとりなるわな、あの人の画像には、死んでもうた今となっても」


「分かるわ、それ。死んでもうた今の方が、前よりも鮮明ででっかく写ってる画像が、いっぱい出回ってるもんな。

 ちょっとくらい拡大しても輪郭潰れたりせえへんから、わし、めっちゃ拡大して見てまうねん。

 もう、ぐわっってやるで、拡大を。ぐわわって、ほんまに、ぶわああってやるで、くわっくわっぐううわああって・・・」


「拡大の仕方を、そんなに強調してどないすんねん、阿呆っ!

 ねえさんのプロポーションそのものを、強調する場面やろ」


「まあでも、ねえさんのあの画像見たら、何とかしたくなってまう気持ちは、よう分かるわな」


「せやな。わしも個人の端末に、実はこっそり取りこんであって、しょっちゅう一人で眺めては、うっとりっていうか、むらむらっていうか、そんなんなってるわ」


「でも、お前の場合は極めつけに異常やで。

 せっかく鮮明な画像がいっぱい出回ってんのに、わざわざ昔の不鮮明で端っこにチョロっとしか映ってへんようなやつを、個人端末にとりこんでるんやもんな」


「ええ!? そうなん? 昔の画像取りこんでんの? あの、めっちゃ画質悪いヤツ? うっそお!

 新しいのん、山ほど出てきてるのに? わけ分らんことするな、お前」


「ええー、分からんの、わしの感性。相変わらず阿呆やなあ、お前ら。

 変に鮮明すぎる画像よりやな、昔の不鮮明なやつの方がやな、イマジネーションの力をもってすることでやな、より自分好みのポージングを頭の中に描きだし・・・・・・」


「何の話をしてんねん、お前ら。そんなん言うてる場合とちゃうやろ。ようそんなん言うてられるわ」


「ほんまやわ。ようやく、うちらんとこの落ち着き先もはっきりして、これから仕事がんばって行かなあかんていう時やのに」


「びっくりしたけどな、今の領主の元に戻された時は、めっちゃ急やったから。あんな突然話が決まるなんてな」


「トラヴィヌセンの王さんと来たら、仕事がやたらと早いからやな。えらい王さんは、やっぱりちゃうってことやで。

 戦争に勝つ手ぎわも鮮やかやったけど、終わってから、色んな混乱を収束させるんも、めっちゃ手際よかったで。

 うちらんとこの領主の決定も、あっちこっちの貴族があれやこれやと言うのんを、一声で黙らせて、もとの領主に戻すって決めはったんやろ。さすがやわ」


「ほんまにな。その上に、これからは今までみたいに、ころころ領主が変わるようなことにはさせへんって、めっちゃきっぱり宣言してくれはったからな、わしらとしても安心できるわな」


「王国が3つに割れてた状況も解消して、国内も今までにないくらいに落ち着いて来て、西の王国とかっていう星団外の勢力にもビシッっと強気でモノが言えるようにもなって、ほんま、あのえらい王さんのおかげで、将来は明るいわ」


「エシャヴェリーナのねえさんを処刑した時のやりようは、ちょっと背筋さむーなったけどな」


「惨たらしかったな、あれ。生身で宇宙の真空に放り出すやなんてな。

 もうだいぶ年増になってた女の人に、あんなんするなんて、わし、遠巻きの映像ですら見てられへんかったわ」


「確かにな。抜群やったプロポーションも、ズタズタになって宇宙のチリと化してしもうたもんなぁ」


「まあ、それも、しゃあないんちゃうか。

 王としての威厳を示して、反抗する勢力を抑え込むには、ああいう元敵対勢力の最高権力者やった人には、厳しく当たらんとな。

 国をまとめる為には、あんな冷徹さも必要なんやろう」


「怖いけどな。怒らさんように、気つけんとな。

 でも、わしら庶民には、ええ顔してくれはる王さんみたいやしな、まじめに働いてさえおれば、滅多なことはないやろ」


「おう、まあ、その通りやな。

 言うてることは、もっともやねんけどな、まじめに働かへんお前がそれを言うてるのは、奇妙奇天烈やで」


「何を言うてくれとんねん。働いとるやんけ、まじめに。

 嫁の乳を触らせたりしてへんぶん、お前より評価は低うなってもうとるけど」


「またそれか。もうええわ。お前としゃべっとったら、日くれるわ」


「くれるか。どうやったら日くれんねん。こんな、一番近い恒星からでも、1光年も離れてる宙域で」


「何にしても、もう、お前との阿呆なやり取りは、やっとれんわ」


「そうは行くか。報酬に差つけられてんのん、どうにかせな、おさまりが付かんわ」


「しゃないっちゅうとるやん、それは。努力と実績の差やねんから」


「いいや。嫁の乳を触らすかどうかや」


「ちゃうちゃうちゃうちゃう。あれ触らせて、そんなええ評価、もらえるもんちゃうねんって」


「いやいやいやいや。絶対そうや。わしは認めん」


「認めようがどうしようが、触らして評価が上がるようなモンちゃうねんて、マジで、マジで、マジで」


「うそや」


「マジや」


「うそや。絶対、うそや」


「よっしゃ、お前ら、落ち着け。

 そこまで対立するんやったらやな、まずはコイツの嫁の乳がどんなんかを、みんなで確かめるところから始めようやないか」


「分かったわ。もう、それやったら、存分に見てくれ、気のすむまで」


「いや、そこは、突っ込んでもらわんと。ほんまにそんなんなったら、こっちの顔が真っ赤になってまうわ」


「どないやねん! 」

 今回の投稿は、ここまでです。 次回の投稿は、 2022/3/26  です。


「銀河戦國史」の他作品のタイトルを見比べて、気付いて頂けている方が、もしかしたら、いて下さるかもしれませんが、本作はシリーズ内シリーズの一つとなっていました。


「漂泊の星団と○○」というタイトルの作品が、「銀河戦國史」の中に3つあり、同じ星団で別の時代に起こったことを描いて、シリーズを構成しています。

 別の時代というのも、50から百年くらいの開きがある時代を描いているので、一つ一つの独立性は高く、それぞれに完結する物語でもあります。

 同一人物が登場することも無く、直接的な繋がりのあるエピソードもありません。


 ですが、よく読んで頂けると、一つの国が辿った道筋というものが、物語としてうっすらと浮かび上がって来るはずなのです。人物名などもよく見比べて頂けると、幾つかの家系の変遷が垣間見れたりもする、つもりで書いています。


 そんな深いところまで読んで頂くには、そもそも一つ一つの物語がちゃんと面白いものになっていなければならないでしょう。

 その点が十分といえないのは自覚しているので、誰にも気付かれていなくても仕方がありません。

 ですが、いつかこういうところにも気付いてくれる読者様が、一人でも多く出てきて頂けるように、精進して行く所存です。


 一つ一つの物語で数年から数十年の時間経過があり、シリーズ内シリーズでは数百年くらいが経過しており、シリーズ全体では1万年という長期間に至ります。

 この三段構えの、それぞれの時間の経過に物語性を見出して頂ければ、過去に前例のないスケール感のシリーズになるのではと作者は目論んでいるのですが、それも、一つ一つの作品の出来栄えを上げて行ってこそのことでしょう。


 作者の勝手な我がままとなりますが、もし可能でしたら、読者様には、各物語を読んで頂くのに加え、他作品と比べたり関連を考えたりして、シリーズの全体像に思いを馳せて頂けると、大変うれしく思います。


 こんなことをお願いしなくても、自然にそうさせるくらいに、一つ一つを面白い作品に仕上げられる技量を、何とか獲得したいと切に願っています。自分なりに、努力して行くつもりです。

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