第61話 決着の場へ
時間は遡る。
七日目。
ユウの視線の先で、転移門の前に集まった者達を見回したジュリアが、最終確認の言葉を告げていた。
ジュリア「準備はできたの? これからジュリア達は一世一代に戦いに行くの。だからたっぷり気合を入れて欲しいの」
ギルドリーダーの言葉に応えるものたちは皆、首を縦に振った。
この期に及んでしり込みするような者達は、そもそもこの場に集まったりはしない。
ユウ達も準備はすでにできていた。
ギルドホームではエリザが暗号に取り組みながら帰りを待っているだろう。
ジュリアはその場に集まった者達へ、声高らかに最後の言葉を告げていく。
ジュリア「残したい言葉とかあると思うの、交わしたい事も、確かめたい事も、でもそんな死亡フラグはあえて立てる必要ないの。ジュリア達に用意されたフラグは約束された勝利一つだけ!」
実際デスゲームを進めた開発スタッフの狙いが、未帰還者の救出だった事から分かる様に、不測の事態が起きても即死亡などという事はなるはずがなかった。
それはここに集まった者達なら分かてるだろう。
だが、そんな野暮な事はユウは口に出さない。
命がかかってようがかかってないが、かかってまいが、自分達のやってる事はこの数日間ずっと変わっていないのだから。
その力があるから、自分にできる事をする。
やってできたからここに立っている。
これからも立ち続ける。
シンプルにそれだけだ。
ジュリア「決意が固まったらやろーども、突撃なのーっ。ジュリア達は派手にぶちかましにいって、黒幕さんのお尻ぺんぺんしてやるの! やるのはたったそれだけなの!」
締めの言葉にジュリアの仲間が威勢よく声を張り上げ、他の者達も追従する。
アイドルを祭り上げる様なそれに近かった気もしないでもないが、これから行うのは生死を駆けた戦いではない。挑まれた一つのゲームに挑戦して、決着をつけるそれだ。
多少浮ついていたとしても問題ないだろう。
とにかく、彼等の士気は上がったようだ。
歓声が収まった後、グラウェルの補佐であるサブウェイが号令を放ち、改めて決めてあった順番通りに転移門をくぐっていく。
ソフィから教えてもらった決戦の地へいよいよ乗り込むのだ。
ウィーダ「よっしゃ、頑張ろうぜ!」
アルン「あったり前でしょ」
仲間二人に視線をむければ彼等からはそんな反応。
不足もなく、不安もないようだ。
こちらも間違いなくベストの状況だ。
やがてユウ達の番が来て、転移門をくぐっていく。
これでこの一週間の戦いは決着がつく。
多くのプレイヤーを巻き込んだデスゲームと、三年前に発生した未帰還者の事件の方がつくのだ。




