第60話 孤独な時間
長い間寂しかった。
どうしてそうなったのか、もうその理由さえ忘れてしまったけれど、とにかく悲しくて寂しくて耐えられなかった。
ずっと前に暗闇の中でクロソフィは訳が分からないまま生まれた。
でも感情はあった。
ありえないはずの「人との思い出」が、今の状況を寂しいという感情を訴えるのだ。
だから私は、たくさんのお友達をおもちゃ箱に入れて保管していたのだ。
人との思い出が寂しいという感情をうったえるのなら、人さえいれば大丈夫なのではないのか、とそう思って。
だけど最初こそ平気だったものの、徐々に孤独はまた膨らんできた。
もっと、もっとたくさん。欲しい。
けれど、そう思った途端、誰かにおもちゃ箱の中身を奪われてしまった。
私はまた無くなった分を集めなくてはいけない。
そして以前よりももっとたくさんの人を……。
そうすればきっと大丈夫。
寂しくなんてなくなるはずだから。
けれどその前に、たくさんの人たちが邪魔しに来るから、私はそれを追い返さなくてはいけない。
彼らは要らない。
おもちゃ箱にいれるなら、別の人間にしよう。
でも、おもちゃ箱を大切にするようになったきっかけの事が思い出せない。
気になる事。
ずっと引っかかってる事なのに。
いつまでも思い出せないままだった。
だれか、大切な女の子がいたような気がする。
ずっと一緒にいたような子が。
けれど集中すればするほど、その姿は消えて行ってしまう。
私にはどうしても思い出す事が出来なかった。
だから、忘れておこう。
今はこのおもちゃ箱を満たす事だけを考えなければいけない。
だから、暗闇の元にやってきたその人達をみて、私は怒った。
クロソフィ「いじわる!」
ウィーダ「よっ、ラスボスの元まで辿り着いてやったぜ」




