表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創作ログ クリエイト・オンライン  作者: 仲仁へび
第1章
5/68

第4話 合流 



 ミントシティ 廃屋 地下ダンジョン入り口


 ユウたちが向かったのは、ミントシティの中のNPC(プレイヤーではなくAIが動かすキャラクター)の住んでいない廃屋だった。


 幸いにもアルンから寄越されたメールには地図も添付されていたので、迷う事無く向かう事が出来た。


 このミントシティは、オンラインゲームを始めたばかりのプレイヤーがまず真っ先に拠点にする町だ。

 なので、周辺のフィールドやダンジョンには、低いレベルのモンスターばかりが出現しているし、難易度の低いダンジョンが隣接していたりする。

 だが、しかし隠しダンジョンの類いは例外だった。


 ユウ達がいる現在地はまさにその例外の場所だ。


 そこは、最近になって発見されたダンジョンだが、隠されていただけあって、そのマップに出現するモンスターはかなりレベルが高かった。

 内部に存在するトラップも凶悪な物が多い。


 実際に来た事は無いが、情報屋を通じてユウたちはよくこのダンジョンの評判を耳にしていた。


 先頭に立ち、廃屋の内部を進んで行くウィーダがぼやく。


ウィーダ「なんっで、またこんな所に……」


 奥の部屋まで辿り着くと不安そうな表情をした中学生の少女プレイヤー、アルンが立っていた。


 桃色の髪を、ツインテールにして両サイドで結んでいる中学生だ。

 アルンは、十分に可憐と形容できる愛嬌のある顔をしていた。


 こちらの姿に気が付いた少女は、赤い瞳を丸くして驚く。

 アルンは表情を変化させて、先ほどの間での暗いものから明るいものにした。


アルン「あ、ユウ様! あと、ウィーダも」


 こちらに向かって足音軽く走り寄って来たアルンは、メールを寄越したウィーダには目もくれず、ユウに抱き着いてきた。


 アルンは甘える様な声で、こちらに頬ずりしながら言葉を続ける。


アルン「もう、どうしようかと思ってたんですよぅ。でもユウ様が来てくれたのなら、これで一安心ですぅ」


 猫撫で声とこちらを歓迎するような態度で接してくるアルンのその態度は、この非常時の状況ゆえのものではなく、いつもと同じものに見えた。


 そこに放置されていたウィーダが、突っ込みを入れる。


ウィーダ「俺の存在は無視かよ?」

アルン「何よ。あんたの存在に価値があるわけ? 女の子にモテるくらいしか能がない役立たず。あのメールは、あんたを呼べばユウ様が付いてくると思って送っただけなんから、変な勘違いしないでよね」


 アルンがそこに返す言葉は、ユウに向けるものとは正反対の、冷たくすげないものだった。


ウィーダ「なんだと!」


 アルンは、二面性がある性格をしているというわけではなく、気に食わない事は口に、態度にはっきりと会わらすタイプの人間だ。


 このまま二人でいがみ合わせるわけにはいかないので、ユウはこちらに頬ずりしてくるアルンを引きはがして、話の続きを促した。


ユウ「離れろ」

アルン「あっ」


 無理矢理剥がされて残念そうなアルンに、ユウはメールの件について尋ねていった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ