第47話 開発スタッフの娘
そんな風にして、しばらくジュリアと今後の方針を話し合ったり、ウィーダやら女性たちやらグラウェルやらが騒動を起こしていると、ギルドホームにいるはずの白髪の少女が声をかけてきた。その傍にはアルンも付いている。
エリザ「あ、あの……」
そこに話しかけてくるのは、ギルドで休んでいるはずのエリザだった。
その顔色は、昨日よりは多少良くなっているものの、まだ疲労を残しているのが分かる状態だった。
ユウ「気が変わったのか」
エリザ「まだ何が起こっているのか、よく分からないんですけど、でもやっぱり何もしないでいる方が色々考えちゃって、こちらに来てしまいました。迷惑でしたか?」
ユウ「いいや」
本人の気のすむままにしたらいいと思っている。
できる事をこなす事で気がまぎれると言うのなら、力を貸してもらった方が良い。
特に今は、新しく入った情報の真偽を確かめる為に、人手が欲しいと思っていた所だった。
ユウは念の為に仲間の一人の声をかけておく。
ユウ「アルン」
アルン「はーい、無理しないようにちゃんと見張っておきますぅ。任せてください!」
元気の良い了解の言葉を受け取った直後。
メールが届いた事が分かった。
自分にだけ聞こえる着信コールが鳴る。
ユウ「……」
開いてみると情報屋からだった。
外部と連絡が繋がった事が書いてあって、未帰還者の中に開発スタッフを親に持つ者がいると言う事が書いてあった。
これで、デスゲームを企画した人間は、開発者だという可能性が高くなった。
そして、未帰還者をこの世界に留めた犯人は、アルンの言うAIソフィである可能性が高い。
その話をジュリアにもみしてやっていると、エリザがおずおずと手を上げながら声を発っした。
エリザ「あ、それ私かもしれません。私の父がゲームの開発者なので……」
そしてそんな風にあっさり、この先調べようとしていた事が判明してしまった。
偶然とは恐ろしい。
いや、偶然ではないのかもしれない。
外部からある程度手を加えられるのなら、攻略に貢献している者達の元へ未帰還者を導くくらいの事は出来そうだ。
ユウ「……」
無言になったユウに、エリザが不思議そう顔で尋ねてくる。
エリザ「あの、もしかしてまずい事言いましたか?」
ユウ「いや、驚いただけだ」
エリザ「そうなんですか、ユウさんは顔に出ない方なんですね」
それは自覚している。
どんなに内心で何かを考えても顔に出ないというのは、駆け引きの場では有利になる事が多いが、人付き合いの中ではかなり苦労した。
そう思っていると、エリザは遅れて気が付いたようだ。
エリザ「あ、この世界がデスゲームになっているのって」
ユウ「可能性は高い、その事はあまり人に言わない方が良い」
エリザ「はい」
己の迂闊な言動に気が付いたらしいエリザが肩を落とす。
だが、この場にいるのが信用できる者だったという事が幸いだろう。
それからの会議では引き続いて未帰還者の保護にあたる事と、外部からのコンタクトに注意を払う事などが決められた。
だが、それとは別にユウ達「電光石火」は、デスゲームが始める前に迷いこんだ管理室のような場所を突き止める事になった。
ランダム転移で飛ばされた場所とはいえ、この世界にあるのなら一応は行けない道理はないからだ。
そこで、外部と通信がとれるか何なりすれば、状況がかなり進む事は間違いないだろう。




