第33話 スカル・レッド
女性「今ちょっと、鼻もちならない感じのギルドのリーダーが町で顔を利かせてて、困ってるんですよ。ほら、今調査の為に名のあるギルドの人達の大半が外に出て行っちゃってますから、今の内に好き放題でもしようと考えたのか、「スカル・レッド」っていうギルドが、態度を大きくしちゃって」
と、そんな風に女性は詳しい内容を教えてくれた。
女性の語る言葉は、終始辛辣なものだった。
その言葉に触発されてか、隣にいた男性までもが渋い顔になる。
男性「あいつら乱暴だよな」
女性「一番人数の多いギルドだか大手だか知らないけど、数に物を言わせて言う事を聞かせようだなんて、ねぇ? やになっちゃう」
男性「そうだな」
ひょっとすれば、彼女等は直接その目で問題の場面を見たのかもしれない。
それで、思わず語気が荒くなってしまっているのだろう。
彼女等が説明するに、そのスカル・レッド達のやろうとしている事は表向きには正しい事らしかった。
指示に従わない町のプレイヤー達に注意を飛ばし、最善の行動を促すという。
それ自体は問題のない行動だろう。
町から出ようとしたり、もめ事を起こしたプレイヤーを何の対処もせずに放っておけば町の治安が悪くなるばかりだ。
だが、彼等のやり方が問題だった。
彼等は、モンスターを己の影響かに置いて行動を制限できるというテイムスキルを持つテイマーを集めて、問題行動を起こしたプレイヤーを囲み、移動を制限。
ライフが減らないのを良い事に、粛清として暴力行動に出ているらしい。
それらの事情を聴いたアルン達は、顔をしかめて言葉を発した。
アルン「荒っぽいやり方ね。そいつ本当にギルドのリーダなのかしら」
ウィーダ「やりすぎだろ、なあ?」
恐怖や暴力で相手を押さえつける方法を否定するわけではないが、元から似たようなものを抱えていた今の状況でそんな事をやれば、危うい今の均衡がどうなるか分からなかった。
だが、それよりもユウが気になるのは……、
ユウ「ジュリアは黙っていないだろうな」
会議をした他のギルドリーダー達が黙っていないだろうという事。
確実に問題が増えるだろうし、それに議題の時間がとられる。
ジュリア達なら、間違いなくその行動を非難して、然るべき対処を取るだろう事は目に見えていたが、スカル・レッドはそんな事も分からずに行動する程間抜けだというのだろうか。
それとも分かっていて、やっているのか。
何にせよ、予定より早く帰って来たユウ達にはやることができたようだ。
ユウ「アルン、保護した女性を頼む。様子は俺達が見てくる。手が必要なら、ゴンドウに手伝ってもらえ」
アルン「はーい、分かりましたぁ」




