第28話 未帰還者の捜索
三日目の昼。
昨日の打ち合わせ通り、各ギルドは情報集めのために動く事となった。
このオンライン世界で知らない者はいないという『疾風』ジュリア率いる『エンジェルダーツ』と、『暴牛』ラジェル率いる『バロックバロット』。その他さまざまなギルドが綿密な打ち合わせの元、主要な町付近にあるフィールドを探索する事となった。
そんな二日目の会議のあと同盟を組み、ギルド間の連携が取れる事になった事で、昼間の調査開始直後であっても、様々な情報が瞬時に入るようになったのは得難い利益だろう。
その中で見つかるようになったのは、バグと妖精の確認だった。
バグは、せいぜい大きさで言えば五センチ四方のブラックポリゴンが、フィールド上でたまに浮いているぐらいのもので、触れても危険はないという事だが、妖精の存在がやっかいだった。
ユウも会議で事前に話した事だが、妖精にはこれまでのモンスターにない能力があった。
それはユウによるライフ改ざんを一定期間無力化するというものだった。
妖精の杖からの魔法を受け、ライフが減少する様になったプレイヤーは即座に下がる様にしているらしいが、安全だと思ったフィールド探索が実はそうではなかったという事実が、プレイヤー達の足を鈍らせたのは言うまでもない。
今の所は有名ギルドの、高レベルプレイヤーのみが活動している現状なのだが、時が経ち、不満を抱いた中級・初球のプレイヤーが町を出るようになった時が一番の心配だった。
同盟ギルド間の方針としては、
『犠牲者ゼロでデスゲームのクリアを目指す』となっているが、それが期待できるのはせいぜい一週間までの事だ。
調査が長引けばそれによってプレイヤー達が死亡するリスクが高くなる。
町に残っているものたちの世話については、ゴンドウが率いる世話好き連中達が、しっかりと引き受けているらしい。
初日のダンジョン特攻のように、突飛な事をやらかさないかという不安はあったが、人の忠告を無下にするような人間でもない。
差し迫った危機が起きない限りは問題はないだろうと踏んでいる。
天ヶ原 シュネイブの滝
そんな中、弱小ギルドの「電光石火」メンバー……すなわちユウ達は、町近辺のフィールドを担当して、周っていた。
いくら猫の手も借りたい状況で、なあおかつユウ達高レベルプレイヤーの端くれであっても、初日におこなった管理者権限の手札の存在が強烈だったのか、危険な場所になるべく出ないでほしいと言われたからだ。
そんなわけで、ユウ達は天空を表して作られたという、低レベルモンスターしか出てこないフィールド……天ヶ原のシュネイブの滝という、雄大な大水流れる場所の近くを歩き回っていた。
ウィーダ「何か思ってたのと違うっていうか、のほほんとした景色だよな。俺らピクニックしてるんじゃねって気になってくるわ。さっきから出てくるのは雑魚ばっかだし……」
激動のデスゲーム生活が始まるとばかりに考えていたらしいウィーダは、しっくりこない様子で戦闘を歩きながらトラップ探知をしている。




