第24話 朝の訓練
ウィーダ「久々にやるか」
ユウ「そうだな」
ウィーダが剣を手にして誘いをかけてくる。
いい機会なので、手合わせする事にした
ここのところはウィーダもユウもリアルが学生であるという事実が影響して、試験やら行事やらの催し物事情が立て込んでいたので、対人戦をしてこなかった。
だが、デスゲームとなったこの世界では、文字通りに命がけとなる状況も出てくるだろう。この先なにがあるか分からない、というのが普通となってしまった。
ゆっくりとした時間が取れていて、余裕がある今のうちに、訓練を積んだ方が良いはずだった。
ウィーダ「お前とやるのは久しぶりだな、腕がなる」
ユウ「そうか」
(心なしかうきうきし始めた様に見える)ウィーダを対面にして、間に五メートルほどの距離を開け、雄は立つ。
ちなみにユウもウィーダも、剣術に関しては素人だ。
だが、オンラインゲームを始めた頃に出会ったお人好し兼世話好きプレイヤーのゴンドウがその手の事に詳しかったために、基礎の中の基礎は最低限身に着けていた。
アルンはラインに頼った戦闘だが、ユウ達のそれでは軌道ラインを頼る時もあれば、勘も頼る時もある。
臨機応変に切り替えて、状況的によってガラっと変更する感じだ。
二人ともこの世界では少数派に部類されるであろう戦闘スタイルだった。
単純なアルゴリズムで動くモンスターの場合はスキルで足りるが、人間相手ではそうはいかない。
三年以上も前から活動していると、それなりに顔が広くなってしがらみも増える。
ゆえに人間相手から決闘を挑まれたり、因縁をつけられたり、もしくはただPKされかかったり、趣味で襲われたりすることがある。その場合、(スキルの力を多少は借りつつも)大部分は互いの駆け引きや戦術の読み合いをし、己の勘を頼りに剣を振るう事が少なくなかった。
当然そんなわけだから、腕を磨くのはまったくの独学。
同じ戦い方をする者との手合わせは貴重な機会だった。
対面にいるウィーダが武器を掲げて、声を張り上げる。
ウィーダ「じゃあ、行くぞ!」
ユウ「ああ」
手合わせの始まりはいつもウィーダからだ。
ウィーダ「つ、らぁぁぁぁぁぁ!」
ユウ「……」
一声かけた相手は、叫び気合を入れながら、真っすぐに突進してくる。
力任せの大上段からの一撃。
ウィーダが振りかぶったその一撃をユウが受ける所までがいつもの流れで、そこから剣の訓練は本格的に始まった。




