第19話 ジュリアとグラウェル
一人は青い髪の鎧を着たがっしりとした体つきの男性。
もう一人は赤い髪の軽装の小柄な体格の女性。
まず話しかけてきたのは、赤い髪の女性だ。
身長はアルンとそう変わらないが、中身はユウ達も年上。
???「久しぶりなの、あいかわらずお兄さんは規格外なの。このデスゲームの難易度をイージーにした人が誰だと思ったら、お兄さんだと知ってびっくらこいたの」
舌足らずな幼子の様な、そんな特徴的な喋り方をするそのプレイヤーの名前は、ジュリア。
疾風と言う二つ名を持つ、有名なプレイヤーだった。
そして、以前ユウが所属していたギルド「紫電一閃」のメンバーでもあった。
そして、次いで声をかけてくるのは青い髪の男性。
???「テメェが例の男か。ジュリアちゃんに気取ってんじゃねぇよ。狙ってんのか? あぁ? いい気になって調子こいてんじゃねぇよ。このゲームの頭は覇王グラウェル様、この俺だ!」
威勢の良さそうな言葉をかけてきた、やたらとメンチを切ってくる。
この手の相手に過剰に反応してはやっていられないので、ユウは「そうか」とだけ喋って、特に反応を返さなかった。
この三下の様な態度をとる青年は、暴牛の二つ名を持つグラウェル。
路地裏にたむろしてそうな不良のテンプレートとも言える男は、これでも有名ギルドのトップだ。
補佐する人間が有能だからそれに引っ張られる形で名前を挙げているらしい。
些末な悪事に手を染めてそうな言動だが、これでいて根は良いらしい。人づての情報だが。
目の前の二者どちらも、このオンライン世界で一定期間過ごしていれば、どんな一般プレイヤーでも、一度は耳にした事がある者だった。。
会議の時刻が迫ってきた事もあってか、他にも有名ギルドの顔役が続々と広場に揃って来た。
純粋に戦力として申し分ない高レベルプレイヤーが集ってできたギルドもあれば、情報収集の優秀さで名を上げたギルドや、錬金術の質で有名になったギルドなど顔ぶれは様々だ。
あらかじめ参加に名を上げていた者達が集うと、その場で司会進行の役を引き受けたのはジュリアだった。
小柄な体格の女性が、広場に集う並々ならぬ雰囲気を纏った歴戦の猛者達をまとめる光景は、少しばかり奇妙な絵に見えなくもないが、彼等の前に立つジュリアの態度は堂々としたものだった。
伊達に有名ギルドの頭を張ってはいないという事だろう。




