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僕は人生に疲れていた。7才でこんなことを言えば大抵の人に怒られるかも知れないが。
僕は疲れていた。
家は裕福で僕は一人息子だった。
両親は僕に期待して色んなものを習わせた。
ピアノにバイオリンに塾に器械体操に水泳に英会話に油絵に算盤。毎日が習い事と勉強に終われた生活だった。
いや、僕に期待していたのではない。出来なければいけなかったんだ。
出来ない僕は要らなかったんだ。幼いながらもそれを感じ取っていた僕は必死だった。全てで成果を出すために遊びも友達も犠牲にした。
僕は一人だった。ヒステリックな母は自分のことにしか興味がないし、父は成果にしか興味がない。友達もいない。
そんなわけで僕は7才にして疲れ果て、擦りきれていた。