水茄子のカプレーゼ
友人の経営する居酒屋に行ったら、サービスで新メニュー予備軍の水茄子のカプレーゼが出てきた。
「味見してみて」
にっこり笑顔でカウンターに差し出される。
うむ。
なんとなく生で食べるのに抵抗があり、必ず火を通してからしか口にしてこなかった茄子。
どう見ても奴に火の入った気配はない。まじか。
生の水茄子を横目に湯気の上がるだし巻き卵をもぐもぐ。
日本酒をちみちみ。
アボガドサラダをもぐもぐ。
また日本酒をちみちみ。
眺めていても火が通るわけでもあるまいし、酒もなくなってきたし、そろそろいくか。
水を一口飲んで口の中を洗い、ひとくち。
えッ!
オリーブのフルーティーな香りとモッツアレラとトマトの甘味と水茄子の瑞々しさがベストマッチ!
これはいかんな。
「赤ワイン、グラスでおすすめの一つ」
「はーい」
バイトの女の子がグラスをカウンターに置いて注いでくれる。
私は日本酒派なのでワインの良し悪しは全く分からないがワインもたまには良い。
カプレーゼをモグモグ。ワインをごっくん。
カプレーゼ。ワイン。
カプレーゼ。ワイン。
交互に食べていると、ふと刺身についているわさびに目が止まった。モッツアレラチーズにわさびは意外と合うのだ。
箸先でわさびを摘まんでチーズにちょんちょん。
うん、間違いないね。
きちんとすりおろしてあるわさびなので後味に甘味があり、香りがしっかりしている。
このまったりのために日々頑張っているのだな、としみじみとする。
簡単そうなので今度家でも作ってみよう。