表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幸福委員会  作者: 時雨 霧
1/1

最悪で最高の八月十日

なんでこの世界はこんなにも嫌な事だらけなのだろう…。


僕は学校でよくいじめられてるし、家族からも虐待行為はよく受けてきた。

だから、学校に行くのも家に居ることも嫌だった。


自分の居場所が欲しいんだ…。


僕には夢がある。

大人になったら、小説家になるんだ。

だからたくさん勉強して良い大学に入ってそして卒業したら立派な小説家になる。

そして学校の奴らや親を見返してやるんだ。


そして自分の居場所を作るんだ。


あぁ、早く大人になりたい…。

でも今はそんな事考えててもしょうがないよね。



八月十日。

今日はすごく暑い。猛暑日だ。

蝉の鳴き声がうるさい。テレビのニュース番組を見る限り、今日この東京では熱中症で倒れた人がもう12人も出ているそうだ。


今は夏休み中で小説を読むことしかない暇な僕にとっては夏休みというのはとても退屈なものであった。

退屈ではあったが今日から両親が一週間社員旅行に行っていて家にいない。

虐待を受けている僕にとってそれはとても嬉しい出来事であった。


朝からずっと僕は本を読んでいた。暑さのせいもあり頭がボーッとしていた。

そのせいか、本の内容が頭に入らなくなり、僕は本に飽きてきていた…。

それにもう今日だけで十冊近くは読んでるからね…。


でも僕はゲームとかやらないし、小説は読むけど漫画は読まなかったから、僕が持っているもので暇つぶしになりそうなものが無かった。

夏休みの宿題も七月中に全部終わらせたからな。

だって後から面倒だし、それに、両親に何されるか分かんないから…。


そんな時、特に何もすることが無かった僕はふとある事に思いつき父の部屋へ向かった。

僕が思いついたのは父のパソコンだ。

僕が使おうとすると凄く怒られるからね。

だけど両親がいないこの一週間は使い放題だ。


(ラッキー♪)


電源をつけ、調べ物をしようとしてサイトを開いた。


「あーやっぱりこういうのは慣れないな…」


僕は独り言を呟きながら色々と調べていた。

「えーと、あくたがわりゅうのすけって打てたのはいいけど変換はどうするんだ?」

変換の方法すら分かんない将来小説家志望の小学五年生って一体……。

多分学校の皆はこんなの余裕なんだろうな…。

そんな事を思い、変換の方法も分からないまま僕は平仮名のまま検索した。


「あ!ちゃんと出てきた…良かったぁ…ってあれ? 」


よく見ると画面の下ら辺に小さい真っ黒な広告的なものを見つけた。

「これ何だろう?」

僕はどうしてもその広告が気になり、クリックをしてしまった。

「しまった!どうしよう…」

僕は不安を抱えながらしばらく待っていると、その広告のサイトが開いた。


そのサイトの背景は全部真っ黒で文字だけに色がついていた。


(何かの名前かな?)



「幸福委員会」



そのサイトに映し出されたのは、幸福委員会というのと紹介文、プロフィール認証。

「幸福委員会?は?意味わかんない…とりあえず前のページに戻ろう!」

前のページに戻ろうとするが何度クリックしても戻る気配はない…。

「電源を一回落としてみよう!」

焦りながら僕は電源ボタンを押す…しかし…。


「なんで…何回も押してるのに!!なんで電源落ちないの!?」


僕は今、自分のやったことに対して後悔していた…。

(まさかこんな事になるなんて…!)


はぁ……。


パソコンなんて、慣れもしないのに触るんじゃなかった…。

とりあえずどうしようもないから僕は淡々と紹介文を読んでいた。


『皆様こんにちは。我々は幸福委員会というものです。どうもこの度は、我々幸福委員会をお気に止めて頂き誠にありがとうございます。我々幸福委員会の務めは人に幸せを与えること。依頼された事は何でもやる事。我ら幸福委員会は皆様の為、世の中の為にある存在と言ってもいいでしょう。依頼にお金など一切入りません。なので困った事があれば我々幸福委員会に依頼をしてみてはどうでしょう?あなた方の依頼は必ず果たします。何かお困りの際は我々幸福委員会をどうぞよろしくお願い致します。』 ──── 幸福委員会一同より


「依頼された事は何でもやるの?」


(そんな漫画に出てきそうな事が今、僕の目の前で起こっている。)


戸惑いが隠せなかった。

こんな事嘘に決まっていると自分は思っている。でもあんな事書かれているなら試してみても…。


僕は今物凄く滅茶苦茶になっている。


紹介文に書かれていることに対して戸惑いが隠せない。

今自分のやろうとしている事にびっくりしている。

駄目だと分かっていながら試そうとする自分が気持ち悪い。

どうするか迷っている自分に腹が立つ。


なんだろうこの気持ち……。



あぁ、迷っても仕方ないよ。


もういっその事全部スッキリさせようかな…。

依頼しよっかな。


今まで周りの奴らやに嫌な事されてこっちは今までたくさん我慢してきたんだ!


僕をいじめた奴等全員!!

同級生も!先生達も! 両親も!

全部全部ぶっ壊してやろうか…。


でもそんな事したら僕はこの先どうなる?

僕が小説家になって皆を見返すという僕の決意はどうなる?



僕は…僕は……どうしたらいいんだ……!


ただもうこのサイトはもうパソコン画面からは消えないだろう。



ふぅー……。


僕は一度落ち着くため息を吐いた。





(よし…決めた!もう一か八かだ!)









「もうどうにでもなれ!!」


そして僕は自分のプロフィールを書いて依頼内容を書いたあと決定のところをクリックした……。

その後僕の目の前で有り得ないことが起こった…。

















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ