4謎の空間と龍
雄二と名乗る男から以前の王国で何があったのかを聞いた後雄二の案内で雄二が守っていた扉を開け中に入った。扉の中は先ほどいた洞窟の中のような場所ではなく壁一面が大理石で作られている一本道でさらに壁には等間隔で謎の石が埋め込まれていてそれが光を放っていて明るかった。
「龍司様こちらがシルフィア様から守るように言われた王国の秘宝が収められていると言われる場所です。先ほどは突然、龍司様達がきたことで聞くのを忘れていましたがよくここまで辿り着けましたね。シルフィア様が同行していると言ってもこの世界でも5つしかない最高難易度の一つこの世界に来たばかりの三人を連れてさすがですねシルフィア様。しかしシルフィア様ならここに直接転移することも可能だったはずです。なぜ直接ここに来なかったのですか?」
「そうだそのことについて聞きたかった。龍司様以外の二人の実力を見たくて魔物相手にどこまで戦えるか試したかったんだがここは危険な魔物も出るはずなのだがゴブリンしかいなかった。ここで何が起きているんだ。」
「ゴブリンしか居なかった?それはおかしいですよ。先ほども言いましたがここは最高難易度のダンジョンです。確かにゴブリンは出ますがそれは入り口付近のみで先ほどいた扉の前は強力な魔物が出ます。この世界には魔物の討伐やダンジョンを攻略することで生計を立てている。魔物討伐のプロの冒険者と呼ばれる者達がいます。その冒険者の中でも最高位と呼ばれる冒険者であってもこのダンジョンを攻略することは今の段階ではほぼ不可能と言われています。なので怪我はシルフィア様の魔法で直せても疲労は残るはずなのですが見たところ龍司様達は疲弊している様子がないので不思議に思っておりました。」
雄二とシルフィアの話を聞きながら進んでいると、先ほどまでの一本道とは違い大きく開けた場所についた。そこには龍の像があったその像に近づいた時この世界に来た時に使った水晶のように突然像が白く光った。目を開けていられなくて目を閉じ光が弱まり目を開けるとそこは先ほどいた場所ではなく真っ白な空間だった。そこに湊たちは居なかったその時上の方から突然声が聞こえた。声のした方を見ると一匹の龍がいた。
「ここに人が来るのは久しぶりだな。直接この空間に入ってきたのはエテルネル王国初代国王以来初じゃな。そうじゃまずは自己紹介をしなければな我は四神の一体、青龍だ。エテルネル王国の建国の頃から我はエテルネル王国を守護していたのだが、訳があり今はここに封印されておるそういえばお主は何者なのじゃ?」
「俺は佐藤龍司と言います。エテルネル王国の先代国王の息子らしいのですが、俺が生まれて間もない頃この国でクーデターが起きて俺を守るため異世界に送られてので俺はこの世界のことも本当の名前も知らないんです。」
「そうか。少し確かめさせてくれ。鑑定」
そう言うと青龍は何やら納得した顔をした。
「なるほどお主が言っていたことは確かのようだな。お主の称号にエテルネル王国の後継者とあるな。」
「青龍様は何をしているのですか?」
「そうであったなお主はこの世界に来たばかりでこの世界のことは知らないのであったな。この世界には自身のレベルやスキル、自身の能力が全て記されているステータスボードと呼ばれるものがある。他人のステータスを勝手に見ることはできないが我には鑑定スキルがあるので相手のステータスを見ることができる。自身で見た方が理解が早いだろう。ステータスオープンと言ってみろ。」
俺は青龍に言われた通りにステータスオープンと言うと目の前に色々と文字が書かれた半透明な板のようなものが現れた。
「それがお主のステータスだ。自身のスキルや適正のある魔法の属性などが載ってある。それぞれにレベルがある。今はこの世界に来たばかりのせいか低いのが多いけど魔法などは使えば使うほどレベルは上がる。それとエテルネル王国の正統の血筋のお主に頼みたいことがある。」
青龍はそういうと先ほどまでの優しい口調ではなくなった。なぜか青龍の感情が伝わってくるその感情は面倒ごとに巻き込まれて申し訳ない気持ちと怒りだった。