2王国にあった真実
湊の部屋にいたはずが気がつくと森の中にいた。
「湊確かシルフィアという人が待っていると言っていたがこんな森の中に人が住んでいるのか?とても人が住んでいる様子は無さそうだが?」
「大丈夫ですよ。着いて来てください。」
そう言うと森の中を歩き出した。少し歩くと開けた場所についた。そこで湊はここにくるときに使った水晶を掲げると一つの建物が姿を現した。驚いていると湊は迷わずその建物の扉を開け中に入った。湊の後に続いて俺も建物の中に入る。中に入るとフードを被った一人の女性がいた。その女性の前に出た湊と綾乃が片膝をついた。
「賢者様お久しぶりです。龍司様をお連れしました。」
「湊それに綾乃ご苦労様です。龍司様初めまして私の名はシルフィア突然こんな場所に連れてこられて困惑しているかも知れないけどあなたの父に何があったのか詳しく説明するわ。」
シルフィアは優しく微笑みながら言った。俺はシルフィアを見て不思議に思った。湊の説明では彼女は王国の創設時から王国を支えていると言っていた。王国は500年以上の歴史があるしかし彼女の見た目は20代前半ぐらいに見えた。混乱していると俺の表情を見て察したのかシルフィアがフードを取った。
「龍司様はこの世界のことを知らないので驚くのも仕方がないけど女性の年齢を詮索するのはいけないですよ。私は種族は人ではなくエンシェントエルフ精霊の力を宿し魔法の扱いに長けた種族です。エンシェントエルフに寿命の概念はないわ。私の種族のエンシェントエルフは精霊魔法という通常の魔法より強力な魔法を使います。しかしこの世界にエンシェントエルフは私を含め数人しかいない希少種なのです。それよりまずはこの国の話をしましょう。500年前この国の初代国王はとある龍の加護を得てこの世界最大の王国を築きました。あなたの父はその子孫で7代目の国王になります。数十年前にあなたの父上の弟とこの国の宰相それに私の弟子達が叛逆しました。国王軍はこの世界でも屈指の実力があったのですが、王国には異世界人を召喚することができる秘宝があるのですがそれを国王の弟がその秘宝を使い異世界から勇者を召喚したのです。その勇者は騎士団長や精霊魔術を使う私でもかないませんでした。異世界から来た勇者は何か特別なスキルを持っていて王国の重要人物が次々に敗れこのままでは王国は乗っ取られてしまいそうになった時国王はまだ赤子のあなた様とその護衛になるように騎士団長と執事の子供を私に預け我々を逃すために犠牲になったのです。その後私はこの森であなた様を育て一緒に国王の仇を取りたかったのですが私は国王の弟からこの国の反逆者として指名手配されていました。もしもの時のために国王から往復分の効果しかないが異世界に行き来できる秘宝を預かっていたのを思い出しあなた様達を異世界に送り出したのです。これであなた様に危険はないと思っていたのですが数日前に湊から連絡がありまして、相手側も異世界に人を送り込んでいたとは思いませんでした。その時知ったのですがあなた様が通っていた学園の理事長はあなたの父上を裏切ったこの国の宰相だったのです。それとあなた様の弟はこの王国の現国王の息子あなた様がこの世界と繋がることを警戒するためにあなた様の行動を見張るために義理の兄弟として引き取らせたのでしょう。湊にはあなた様がこの世界の人間ということは一切知らせないように言っていたのですがこんな事態になっては仕方ないと思いここに連れてきてもらいました。」
「なら今後どうしたらいいですか?」
「まずあなた様には王国の秘宝が眠っているとされるダンジョンに行ってもらいます。そこでとある人物があなた様が来ることを待っています。その人物は現国王軍からその秘宝をあなた様が来るまで守り続けています。しかし先日王国は異世界から十二人この世界に呼んでいます。異世界人は前の世界での能力に合わせて強力なスキルを与えられます。その異世界人達がダンジョン攻略に出てきたらその人物一人では持ち堪えられるか分かりません急ぎましょう。
シルフィアの言葉を聞いてダンジョンに向かうため準備をした。