エンディング:歴史の声、未来のために
(スタジオの照明が少し落ち着き、中央のテーブルに温かなライトが当たる。
スクリーンには「Ending」の文字がやさしく浮かび上がっている)
あすか(静かに)
「……さあ、ここまでご覧いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
『歴史バトルロワイヤル:ベーシックインカムを考える』、いよいよ幕を閉じます。」
(全員の表情に、それぞれの思索の余韻が残っている)
あすか(柔らかく微笑みながら)
「今日の対談では、制度の仕組みだけでなく、
その“根底にある人間観”まで、深く深く掘り下げられたと思います。」
あすか
「格差とは何か、共感は善か、強さとは、自由とは――
今、この時代に私たちが問い直すべきことばかりでした。」
(カメラがゆっくりとコの字型テーブルをパンする)
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スミスの言葉
あすか
「ではここで、皆さんから一言ずつ、今日の対談を終えての感想と、未来へのメッセージをいただけますか?
まずは……アダム・スミスさん。」
スミス(穏やかに)
「経済とは、人の営みのひとつです。
数値や理論の背後には、必ず“人間の物語”があります。
今日それを改めて感じました。」
スミス
「“自由”という言葉の重さを、私自身、今こそ問い直したい。
未来を築くには、“共感と責任”の両輪を大切にせねばなりません。」
あすか
「ありがとうございました。“自由”と“責任”……耳に残ります。」
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モアの言葉
あすか
「では続いて、トマス・モアさん。」
モア(柔らかく、まっすぐに)
「私は、理想を語る者です。
でも今日の対談で、理想と現実の間に“橋”を架ける努力こそが、
今の時代に必要だと気づきました。」
モア
「人は、思いやりのある社会の中でこそ、
自由に羽ばたけると、私は信じています。」
あすか
「橋を架ける……それは、今の私たちへの宿題かもしれませんね。」
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鄧の言葉
あすか
「では、鄧小平さん。お願いします。」
鄧(短く)
「社会は、語るものではなく、作るものだ。
制度は常に不完全だが、それを試し、調整し続ける意思こそが重要だ。」
鄧
「私は今日、他の思想に触れ、“修正”する価値を学んだ。
それができるなら、我々はまだ進める。」
あすか(頷いて)
「修正し続ける勇気……それもまた、ひとつの希望ですね。」
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ニーチェの言葉
あすか
「では最後に、フリードリヒ・ニーチェさん。」
(沈黙。しばらくして、ニーチェがゆっくりと口を開く)
ニーチェ(低く)
「私は、今日ここで、また“誤解”されたかもしれない。」
あすか(やや焦りつつ)
「えっ、そうですか?」
ニーチェ(小さく笑って)
「だがそれでいい。
問いを投げ、かき乱し、他人に安住させないこと――
それが私の“愛”のかたちだ。」
ニーチェ
「人間とは、“問う存在”だ。
答えに満足せず、自らの思考で立ち上がる者を、私は信じたい。」
あすか(静かに)
「……あなたの言葉は、“挑発”という名の贈り物かもしれませんね。」
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あすかの締め
あすか(ゆっくり立ち上がり)
「ベーシックインカムを通して、見えてきたのは制度以上のもの、
——人間の可能性そのものでした。」
あすか(カメラ目線で)
「あなたなら、どんな“未来の社会”を描きますか?
歴史の声を聞きながら、答えを創るのは、これを観ているあなた自身です。」
あすか(微笑んで)
「また次の歴史バトルロワイヤルで、お会いしましょう。」
(スクリーンに「歴史バトルロワイヤル」のロゴが輝き、BGMが穏やかにフェードイン。
観客の拍手とともに、画面はゆっくり暗転)
――End――