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第三話 魔王様、話し合う。1

「魔王よ!!今日こそがお前の墓石に名を刻む命日となるだろう!!覚悟…!!!!」


 ドカンッと、まるでドアを蹴飛ばしたかのようにデカい音を響かせながら、いつものアイツらが俺の目の前に現れた。普段ならこの喧しさも相まって、俺の鬱ゲージは一気に上がり、この時点で既にげんなりとしている俺だったが、この日は違っていた。


「フッフッフ…よく来たな、勇者一行よ。」


 玉座の間にある、歴代魔王に脈々と受け継がれている無駄にでかくて派手な装飾の施された玉座に座り、俺は落ち着いた様子で勇者達に話しかけた。


「今日は、"いつものやつ"はやってこないのか?

せっかく準備してきたってのに…。」


 そう言いながら何故だか少しだけ残念そうな顔をした勇者を見て、「これは運がいい…!ツイてるぞ!!」と思った俺は、勇者達に向かってこう続けた。


「まぁ…、いつもいつも同じことの繰り返しというのもいい加減飽きてきただろう?お互いにな???

…だから、今日は今後のことについてお前達と"話し合い"をしたいと思ったんだ。人数分の席は用意したから、よければ座ってもらえるかな?」


 いつもとは明らかに様子の違う俺の姿を見て面くらったのか、動揺した様子の勇者一行だったが、気の強そうな魔法使いの女が激しく警戒した様子でこう言った。


「どう言う風の吹き回し?何が目的なのよ…!アンタ。甘い言葉でたぶらかそうったって、そうはいかないんだから!」


「…彼女の言う通りだ、魔王。俺たちはお前を倒しにきたのであって、お喋りをしにきたわけではないぞ!!」


「…。」


 魔法使いの女に同調するかのように、勇者も戦闘の意思を見せ、あまり喋らない引っ込み思案といった感じの僧侶の女も、ゆっくりと杖を構え臨戦体制の構えをみせた。


「まあまあそうあせるな、お前達の様子を見た限りじゃ、どうせ今日も防御にステータスを全振りしたせいで俺にまともにダメージを与える手段がないんだろう?せっかくの機会だし、たまにはお互いに腹の中を語り合うと言うのも悪くなかろう…。」


 俺は、計算外のラッキーに恵まれたことに興奮を覚えつつ、相手を刺激しないように何でもない風を装って話し続けた。


「ところで、今日はあのいつもの…アイツはどうした?あの…なんて言うか、厨二病…みたいなちょっとアレな感じの。」


 勇者は一瞬、何を言っているのかわからないような雰囲気を見せたが、なんとなく俺の言いたいことは伝わったのか、慎重に言葉を選ぶように答えた。


「…コジュウロウは、今日は来ていない。アイツが技を披露する前にいつも即死させられてるから、鬱憤が溜まってるとか何とか言って、1人でドラゴンを倒しに行ったよ。」


 俺は、(へ〜、あいつってコジュウロウって名前だったんだ〜)なんて呑気なことを考えつつ、次からはあいつの技見てから倒そうかな、とワクワクする気持ちを必死に抑え込んで、こう答えた。


「まあ今日のところはあいつ1人居なくても良いだろう、なんか話すとめんどそうな感じもするし。

いつまでも突っ立ってないで、お前達も椅子にかけたらどうだ?」


 勇者達は、俺に疑いの眼差しを向けることは変わらずだが、この状況に諦めでもついたのかゆっくりとコチラが用意していた椅子に腰掛けた。


to be continued...

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