そんな奴のリアル
VRゴーグルだかヘッドギアを外す。
あぁぁ外が眩しい。灰になる。
トイレに行きたいから行く。途中の洗面台に顔が映る。
「へっ。相変わらず醜い顔だ」
顔に酷い外傷があるわけでもない。ただ単に嫌悪しているだけだ。
水を飲んで、少し寝る。
学校の制服に着替え、チャリに跨り、訳も無く爆走する。
バス通学だから、近くのスーパーにチャリを置く。
スーパーに入る。それで、適当に安いパンを買う。
特に用事も無いからレジを済ませて、外に出る。
もう一台チャリが来る。
そこの死にかけのデブは友達だ。
「ハァハァ。おはよう」
「オハヨー」
ゲームやらアニメの話で盛り上がる。
今日も今日とて、
「当たんねぇ〜!」
と発狂している。英雄とか何とかが関わるゲームで、ピックアップの推しの男の娘キャラが当たらないらしい。
「あそうガンバレー」
そのキャラの名はアストルフォという。元々は騎兵のキャラなのだが、諸事情あって剣士になってる方のピックアップが来ている。
「ウチも騎兵じゃない方のアストルフォしか当たらなかったよ」
「野郎!ブッ殺ッシャアァァ!!!」
さり気なく当たったアピールをするのも数少ない愉しみである。
ほら見ろ発狂してる。
別の、元素が関連するゲームでも似たような事が度々起こる。
友達はネットで見た情報を鵜呑みにする傾向がよくある。このゲームでもそうだ。どれとこれが相性がいいだの何だの。こういうゲームは、ちゃんと育成をしている前提で話している事が多い。だからそもそもアテにしてない。
そんなこんなでバスが来たから乗る。
この世界にはマフィアのボスが有能な世界線だろう。少し目を閉じたらもう目的地の少し前何てことがザラにある。この時間帯はイタリアで襲撃が多いのだろう。
何を言っているのだろうか?
怠い怠い学校が始まる。
眠い。学校が始まるまでの時間は友達と喋るか、本を読むか、ボケーーーっとしている。
ぶっちゃけいえば、高校を卒業したという実績(?)がほしいから通っている。皆様みたいに夢をナンタラみたいな目標を背負っているわけでもない。成績は最低だが単位は落とさないようにしている。
情報系の学科という事もあって、検定も多い。ぶっちゃけ取れればラッキーぐらいだが、しっかり努力している人が落ちているのを見ると、「何で碌に勉強してねぇ奴が受かってんだろ」て思うぐらいには落ちていないハズだ。
授業も、退屈か眠い時は寝ている。一応、寝ないようにはしているが寝ている。コーヒーを飲もうが寝ている。
この学校は山の中だからか少人数だ。
教師と生徒の間柄は結構フレンドリーだ。休み時間やら昼休みも教師と生徒が話している事が多い。
昼休み。ここには学食なんて無いから、各々が昼飯を持ってくる。ウチも最初の頃は弁当を作っていたが、面倒くさくなり今ではすっかり約100円生活だ。
昼飯をささっと食べ終わり、水を飲んで、飴を舐めながら本の世界に入る。
時間が経ち、学校が終わり、バスを待つ。
早い便のバスは席取り合戦になる事がほとんどだ。
面倒臭いから結局、遅い方の便に乗る。
バスを待っている時は、学校内にいる。
先生がいない事を確認してから携帯を触ったり、図書室で本を見ている。
今日は携帯を弄る。
ようつべを開いて世間の馬鹿話や饅頭の実況解説を確認する。世間の馬鹿話は本当に面白い。
そんで、適当にゲームを開く。ログインをするだけやって閉じる事が多い。
バスが来る前にバス停に向かう。そして友達から飛んでくる爆死報告。実に愉悦だ。確定演出、剣士の印、そこからすり抜けて発狂。今日はこんなケースだろう。
バスから降りて、チャリに跨り、っとその前にアイスを買う。買うアイスはだいたい凶気かドリンク型のバニラアイスだ。
そして今日はあずきバー。
袋から出し、スーパーの敷地から出てからチャリに跨がる。あずきバーを食べながらチャリを漕ぐ。帰りに登り坂を登る元気は無いので、別航路で家に帰る。
途中まで同じ道の友達と雑談をしながらチャリを漕ぐ。
あずきバーを食べ終わり、スマホを取り出し、適当にハマっている曲でも流す。サツを警戒しながら。
「ジャーノー」
友達と別れ、一人帰路に着く。普段はつかれた以外の感情は湧かないが、ここ最近は楽しみが出来た。
家に着く。
晩飯を食べて皆様が寝たであろう時に、ヘッドギアを付け、ゲームを起動する。
自分を解放出来る世界に行くために。
帝都の王宮?の自室で目を覚ます。
戴冠式から数日経ったとはいえど、些か豪華すぎる。
別の部屋を用意してもらいたいと思いながら、フィールドに出る。
狼の配下のテリトリーに向かい、小狼を愛でる。
「あぁ〜癒される〜♡」
自分でも誰やねんと思う時はあるが、しょうがない。だってかわいいのだから。モフモフなのだから。
何となくでリアル主人公のリアルを書いてみたけど誰?(ブーメラン)