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二重人格

 中2臭い事を言おう。

 ウチは二重人格だ。


 まさかゲーム内で受肉するとは思わなんだ。


 βテストが始まって次の日。ゲーム中、“アイツ”と話してねぇな。まぁいいか。なんて思ってたら、ウチとだいたいの外見的に特徴が似てるアバターの人を見かけた。

 まさか、ね、とは思ってたら。

 ウチが狼と戯れていたらソイツは突然斬りかかった。

 近場で見るほど、ウチのアバターをそのまま人間態にした感じの人だ。

 「何すんだよいきなり」

 何故かすんなりと言葉が出る。

 「何すんだよって言われても…あれ?本体さん?」

 「え?お前脳内ピンク?」

 ウチが脳内ピンクと呼んだソレは、サブの人格だ。


 「だからか〜」

 何か納得したように言っているが、脳内ピンク曰く、「私、全身機械なのに何で獣化使えるのかな〜。バグ?」なんて思ってたらしい。


 脳内ピンクは幽華とかいう名前で登録してるらしい。

 そんな脳内ピンクは、ウチの身体の中に消えていった。


 ウチのスキルと幽華のスキル。一応共用で使えるが、体の問題で使えないスキルもある。獣化と狼王がその例だ。あと、幽華のステータスはウチに依存するらしい。



 この世界には例に漏れずダンジョンなるものがある。

 10層ぐらいだろうか。ウチがメインで、幽華が補助だ。


 9層で最後の準備を整える。例えこの先が行き止まりでも探索したいタイプなのでもうモンスターが全滅してるぐらいに狩り尽くして、そう言えば何の装備もしてねぇって思い今に至る。厳密には帝都限定の初期装備があるのだが、ただの布レベルで何の効果もない。

 そこら編の迷宮猪の毛皮と金属片でちょっとした防具を作ってみた。ほんっとうに自由だった。何かアイコンが出るわけでもなく、普通に、アレをこーしてって感じで出来上がった。我ながらいい感じに出来たと思う。


 そんなこんなでやってきた10層。

 お相手のボスは、幽狼ロボ。今まで狩ってきた獲物に取り憑かれ狂わされた、元、狼王。


 コッチの姿を確認するや否や、恐怖と不快感を与える遠吠えをする。幽華はなんとも無かったが、コッチは獣だ。鳥肌が立ち、背筋がゾワゾワして思ったように動けない。


 幽狼が亡霊の配下を呼び出す。ウチも負けじと狼王のスキルで配下を呼び出す。

 配下同士でやり合っている中、コッチもロボとやり合う。

 幽華が腕を謎変化でブレードに変え、ウチもお馴染みのネイルクローで、接近戦で挑む。幽華は難なく攻撃出来ているが、ウチはというと近づくに連れ、寒気や震えも襲ってくる。

 一度離れて、無理矢理距離を詰めるっていうのも考えたが、近付いただけでこうなったのだ。多分、動けなくなって終わりだろう。

 獣だから効果があるのか、狼王のスキルを持っているからこうなったのか。


 いつの間にか、ロボの配下の掃討が終わったのか、指示待ち状態だった。

 「不甲斐ないボスでごめんね。本体をやって」

 


 ぶっちゃけ言おう。本体のあんな姿初めて見た。

 普段は基本的に淡々としている。興味があるものには興味を示し、それ以外は言わずもがな。


 私は機械だから何の効果も無く、今も斬りつける事が出来るのだろう。

 だが本体は獣。闘志はあれど、身体の異変には抗えない。「歪曲の魔眼発動しろ」という風貌だが、身体の異変でマトモに動けないから目で殺す!っていう感じだろう。


 今の本体に出来る事は負傷した狼のケアだろう。


 コッチもさっきから斬りつけているとはいえど、決定打にはなり得ない。獣には獣だろうか。

β時代の話。

時系列が行ったり来たりする。すまない

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