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第5話 アッシー君

今回のお話は非常に短いものとなってしまいました。

申し訳ございません


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 廊下を歩くと女子が慌ててスカートの裾を押さえる。

 初めに言っておくが僕は何もやっていない。

 廊下で楽しそうに話していた彼女たちは僕を捉えた瞬間、太ももを隠したのだ。女子からの訝しげな視線が突き刺さる。逆に一部の男子生徒からは暖かい視線を向けられる。


 昨日まではただの高校生として気にも留められなかった僕だったが、一夜にして僕の名前は......いや、僕のあだ名は一年生の間に広まった。



『あっしー君』



 女性用の様々な靴下ーーソックス、ニーソ、タイツ。これらを真剣な顔で見比べる梨彗 逢斗という男の写真がとあるポンコツ委員長の手によって一年生のグループチャットに送信されたことが原因だ。当然写真は暁さんによって削除、訂正が行われたが写真という現物があった以上、暁さんの誤魔化しもあまり効果が無かったようだ。


 そして写真を見たうちの一人がクラスメイトの女子だったらしく話の種としてか、はたまた危険人物としてか。僕の存在は一夜で拡散されてしまった。



 暁さんの土下座と共にその情報を知ったのは今朝の事。

 午前中の学校生活は言わずもがな地獄の一言だった。


 そして教室にいられなかった僕はトイレで飯を済ませ、昼休みが終わり五限目が始まろうとしている。


 あと二時間。

 ここさえ乗り切れれば一先ず家に帰れる。


 五限目の科目は確か、ロングホームルームだ。

 ただ今日は何をするのかまだ聞かされていない。今までだと委員決めや学年集会集会等が事前通達されたうえで行われていたのだが、今日は朝の時点で先生からの通達が無かった。


 どうであれこの科目は僕にとって苦でしかない。

 数学や国語といった勉強科目と違って生徒に対する制限が緩いため生徒間の会話が必然的に多くなってしまう。

 となると僕の話題が出てきてもおかしくなかった。


 しかし教室に入って気が付く。

 クラスの殆どがそわそわと落ち着きのないことに。ドアを開けた音で何人かの視線がこちらに向いたものの、彼らは気にせず会話を再開させた。


 状況が理解できないまま、席につくと担任の先生が教室に入ってきた。

 始業を告げるチャイムが鳴り響き五限目の授業が始まる。


「えー今日のロングホームルームだが、まぁお前らの雰囲気見る感じだいたい想像は付いているんだろう。再来週の月曜日。男女二人ずつの計四人一組で校外学習に出かけることが決定した! 今日は班決めと、どこを見て回るか決めてもらう。ただ、この授業も校外学習も遊びじゃないんだあんまり騒ぎすぎるなよ」


 そういいつつ先生もなんだか楽しそうだ。


 って今はそんなことを言っている場合じゃない。


 女子に目の敵にされているこの状況で俺と一緒に組んでくれる女子はいるのだろうか?


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