ドッキリだと言って、お願いします!!
僕の名前は田中太郎17歳。
図書館で幼なじみの舞ちゃんと仲良くテスト勉強中。
おお、おお、見てる見てる、周りの男どもよ、羨ましいだろ。舞ちゃんってそこらのアイドルより可愛いからね、わかる、わかるよ。
でもほら、僕、地味キャラだけど幼なじみだから!君たちには勝ち目ないよ、ごめんねぇ。
舞ちゃんったら、警戒心無さすぎていまだにパジャマ姿とかで僕の部屋に遊びにきちゃうから。だってお隣さんだからさ。
僕、誰よりも近くで舞ちゃんの成長みてるんだよ。
お前ら知らないだろ。もう舞ちゃんの最近の発育ぶりは誠にけしからん!!
ちょ、それ、まさかノーブラ!?
わかってないな、僕だって正常な男の子だよ!?
そんなツンとした2つのポッチを見ちゃったら、僕の僕がたまりません!!今日もそんな格好で遊びに来ちゃうなら、しっかり男というものをわからせてあげなければ!!と、思っている所存でありますっ!
「ねぇ、太郎ちゃん、ここの答えわかんない。あれ、寝てるの?ちょっと太郎ちゃんったら」
はいはい、僕のハニーが呼んでるからそろそろ真面目に勉強しますか、なに、なにがわからないの、僕が優しく教えてあげようじゃないか、、、どれどれ〜?
ぶるっ。
ん?なんか急に寒気がした。
ん?
つめたっ!!
え?
ん?んんー!?
ぼくはパチっと目を開けた。
え、なにこれ、雪!?
流石にいくら北海道といえど、7月に雪が降るなんて事あるわけないよね、てかここ図書館の中、、、
!?
じゃなーい!!!???
なになになになに、なんで雪!?
舞ちゃんは!?
舞ちゃん、どこいった!?
目を開けると辺り一面真っ白な雪、雪、雪。
でっかい綿雪がふわふわ〜って、うわ、綺麗だな〜。
ってちゃうちゃう!!!
そ、そうだ、スマホ。
よかった、スマホはポケットに入ってる。
慌ててLINEを開こうとしたら、顔認証エラー。
くっそ、なんでだよ、こんな時に!
しょうがなくパスコードを入力し、LINEを開く。
「舞ちゃん、いまどこ!?」
僕はメッセージを打った。
返事こず、、、既読、、、に、ならず。。
電波、、はあるようだ。
何が起こったかさっぱりわからずあたりを見回すと、ちょっと離れた木のあたりに数人の人らしき影。
よかった、あの人たちに聞いてみよう。
ズボっズボっズボっ。
僕は雪をかき分けてなんとか人らしき影に向かった。
膝下くらいまで雪が積もっている。
え、いつのまに雪なんて積もったんだ?
異常気象すぎだろ、これ、、、
「あの〜、すいませ〜ん、、、」
声をかけてから僕の視線は彼らの頭の上とお尻を行ったり来たりした。振り向いた3人全員に耳と尻尾がある。
いや、凄いよくできたコスプレ、フッワフワだな、ちょっと触って見たいなと思っていたら、1番手前にいた僕より背が低い女の子の尻尾に無意識に手が伸びていた。
「ひゃっ!」女の子がびくんと身体をこわばらせた。
「なんだ貴様!?」
「痛っ」
手前にいた子のふわふわな尻尾を握ったとたん、隣のデカいやつに後ろ手を取られた。
「す、すいません、すいません!よくできた尻尾だなって思ってつい!ちょ、やめ、、痛い、痛い!!」
「貴様!!嫁入り前の姫様の尻尾に気安く触れるとは!今すぐ首をはねてやるわ!!」
え、首?姫?なに、どういう事?と考えたのも束の間、ブン!と振り上げられた剣が僕の首に振り落とされた。
なんかよくわからないけど、どうせ死ぬなら痛くない方法で死にたかった、、、いや、それより、舞ちゃんのおっぱいくらい揉んでから死にたかった、、、
僕の見立てではC、あれはCくらい、、、うむ、ちょうどよい、ちょうどよいぞ、舞ちゃん、、、
やだー、痛いのはやだー。痛い、痛いよー。
、、、、。
痛くない。。
あれ?
「!?」
「まさか魔法を使うのか!」
魔法ってなんですか、そんなもん、使えるわけないでしょーが、、、って、使ってたー!!!
一瞬すぎて僕にもなにがなんだかわからないけど、自分の目にも見えるシールドみたいな光が身体を包んでいた。
え、これ、僕が出してるの?
うそ、やだ、こわーい。
「賢者様!!!」
目の前にいた3人が急に膝をついた。
「お待ちしておりました、我々を貴方様のお側に!」
あー、はいはい、見えてきました、はいはい、あれね、
ここ異世界ね、よくあるあれでしょ、目が覚めたら最強勇者になってましたー!って物語。
よく読んでます、わかります。
ドッキリだね、これ、素人だましてリアクション見て笑ってるんでしょ、はいはい。
大丈夫、大丈夫、僕ノリいいから。
ノリますよ、任せて下さいよ、カメラはどこかな?
って事は舞ちゃんも仕掛け人?
けしからんな、終わったらお仕置きだな、おっぱい揉み揉みで許してやるか、何カップか確かめないとね、いつ死んでもいいようにね!!
僕がカメラを探してキョロキョロしていると、さっき僕を殺しかけた演技をしたデカいやつが、頭を下げた。
「賢者様、先程は誠に失礼いたしました。我々は姫を守るのが使命ゆえ、何卒お許し頂きたく。」
ふむ、そういう設定ね、オッケー、オッケー。
世界観を受け入れて騙されたフリしてあげようじゃない。
「あ、はい、お気になさらず、、、こうして無事な訳ですし、、、」
「本来なら死罪でも文句は言えぬ行い、お許し頂きこの御恩は一生わすれませぬ」
「そんな、死罪だなんて大袈裟な、、、あははは」
いや、これが現実なら許さんがな!
こっちは首を落とされかけとんじゃー、ボケー!!
「賢者様、、、申し遅れました、わたくしサボテリア国の第一王女、ハマネリアと申します。リアとお呼びくださいませ。先程賢者様に無礼を働いた者はラキ、もう1人はハリスと申します。出会って早々、わたくしの従者の失態をお許し頂き、感謝いたします。」
そう言ってリアが深く頭を下げた。
「あの、リアさん、頭をあげて下さい。いきなり尻尾を鷲掴みにした僕が悪いのですから、、、こちらこそ、申し訳ありませんでした。」
そういうとリアはバッと顔をあげてこちらを見たが、目が合うやいなや顔を真っ赤にして俯いた。
す、すごい演技力、、、。
というかよく見たら舞ちゃんに負けず劣らずの美少女!
しかも猫耳!おっぱい、、、こ、これはなんともけしからん!何歳くらいだろ、15〜6歳といったとこか?
ロリに猫耳巨乳美少女。こんな子にこんなエロい衣装着させて、大丈夫なんかな?放送できるの?谷間見えすぎ。
依然顔を真っ赤にして俯いたままのリアを見てラキが言った。
「賢者様、我々獣人にとってこの気温はなんともありませんが、人間である賢者様には少々お寒いかと、、、。
近くに我々の休憩地がありますゆえ、そちらでお詫びも兼ねてお休み頂きたく存じます」
そう、そうなんだよ、ラキさん!!
さっきから寒くて寒くて、実はもう限界です。
「あ、すいません、お言葉に甘えていいですか?」
「かしこまりました。ハリス、馬車を」
ラキがそういうとハリスが頷いたとたん、馬車に変身した。
うへ〜。世の中こんなに進歩したわけ?
今のいったいどういう仕組み?僕、催眠術にでもかかってるの?などと考えてる間に馬車に乗せられ、近くの休憩地?とやらまで向かうことになった。
僕とリアが向かい合い、リアの隣にラキ。
馬車に揺られて数分がたった。
しかし手の込んだドッキリだな。
日本で素人にここまでやるかね。
もう映画レベルのクオリティじゃないか。
ふむ、リアは猫の獣人。
ラキは犬、、、狼かな?無茶苦茶イケメンだけど、新人の俳優とかかな?
ハリスは馬の獣人設定みたいだな。
そういえば今何時だろう。
舞ちゃんもいま僕をモニターで見てるのかな?
僕はスマホを取り出し、時間を確認した。
7月3日、金曜日。18:58。図書館に行ったのが17:30位だったから1時間ちょいか。お腹空いたなー。
LINEを見ようと画面をタッチするが、また顔認証で開かない。故障かな?僕はパスコードを入れてLINEを開いた。
舞ちゃんへのメッセージは既読になっていない。
あとどれくらいで終わるんだろう。
早く家に帰りたいな、、、。
「ねぇ、ラキ、どのくらいで休憩地に着くの?」
ラキは外を見てから答えた。
「あと10分もあれば着くかと、、、」
「そっか、了解。」
「ねぇ、リアさん、サボテリア国だっけ?そこはここから遠いの?」
「へ、は、はい!!さ、サボテリア国ですね。そうですね、サボテリア国はここから馬車で5日ほどの場所にあります。」
「へぇ、5日もかかるんだ。そんな遠くのこの場所で何をしてたの?」
「あ、はい、それは、、、えっと、、、」
「賢者様、そろそろ着きます」
被せるようにラキが言った。
はいはい、目的はドッキリだもんね、バレたらダメだよね、さ、いよいよメインドッキリかなー?
馬車を降りるとその景色に一瞬息をのんだ。
相変わらずの雪景色だが、テントが何棟も建っており、羽が生えた者、全身毛で覆われた者、うさ耳に小人の様な者まで大勢の見慣れない人々が出迎えた。
テントといっても小さな家くらいのサイズはある。
よく海外の映画で見る様な、立派な木の柱で建ててあるそのまま住めそうなテントだ。
これ、金かかりすぎてないか?エキストラ、何人よ?
そうか、ここは映画村的な場所だな、そうじゃなきゃ手が込みすぎている。
僕がその世界観に圧倒されているとラキがこちらを見て言った。
「賢者様、こちらへ」
僕は奥にある一際立派なテントに案内された。
「うわ、あったかい」
テントの中は暖炉のような物があり、半袖でも過ごせるくらいの温度になっていた。
見渡すと、バスタブ、ベッド、ソファなどほぼ生活するには不自由しない設備が整っており、まるで高級なグランピングのような内装だ。
「賢者様、今夜はこちらでお休み下さい。賢者様のお世話は
こちらのクララとダミーがさせて頂きます。お食事を用意いたしますので、先に湯に浸かりお体を温めてください」
「あ、はい、ありがとうございます、、、」
バスタブの方を見るとうさ耳メイド服のクララとダミーがタオルや着替えを準備してくれていた。
「後ほどお食事をお持ちいたします。失礼いたします」
そう言ってクララ、ダミー、ラキが出ていき、相変わらず頬を赤らめたリアが最後にペコっとお辞儀をして出ていった。
ふぅ、、、疲れた。
風呂に食事ね、、、どうやら泊まりがけのドッキリらしい。
ながっ!!まぁ、今日は金曜だから明日は学校ないけど、、、月曜日はテストなんですけどっ!?
その為に舞ちゃんと図書館に行ってたんですけど!
ま、僕は学年トップの成績だから別にいいんだけど。
舞ちゃんおバカちゃんだからな、僕がいなくて大丈夫かな。
ま、いいか、こんなリゾート気分味わえるなら楽しんじゃお。返事返さないってことは舞ちゃんも仕掛け人な訳だし、、、。僕は服を脱いでバスタブに足を入れた。
、、、ふぁ〜、やべ〜、生き返るぅ〜。
あったか〜。
「ふぅ〜、、、、」と、おっさんみたいに両手でお湯をすくって顔にバシャとお湯をかけてゴシゴシしながらふと横にある鏡に視線を送った。
「うわっ!!」
そこには浅黒い肌のシュッと切れ長な目のイケメンがいた。
鏡かと思ったら人がいたんかい!!
え、僕、この人に気づかずに素っ裸になっちゃいましたけど!!きゃー!恥ずかしい!!
ドッキリってこれ!?
「あの、、、」
「、、、、、」
「、、、、、」
か、がみ、、、?だよね、これ。。
右手で目を擦ってみる。
すると浅黒いイケメンも目を擦る。
鏡に顔を近づけて見る。
イケメンがドアップになるだけ。。
えっと、、、これ、僕、、、かな?
やだー、超イケメンじゃーん。
すごーい、これ、すごいドッキリじゃーん。
どうやったのー、整形??寝てるうちに整形されたの?
まじでー?こわーい。
とかなんとかパニクッてると背後から声が聞こえた。
「け、賢者さま、、、」
「は、はい!?」と振り向くとそこには裸のリアがいた。
そう、裸のリア。
裸、、、裸、、、はだかー!?!?
「け、賢者様、、、あの、、、お背中お流しいたします。」
と言うと、目の前におっぱいが、、、
そう、おっぱいが、、、
え、、、おっぱい、、、?
「ちょ、待った待った待ったー!!!」
むにゅ〜ん。
両手に初めて感じるなんとも言えない柔らかい感触。
手に余る弾力、、、
ぽにゅぽにゅ、、、むにゅむにゅ、、、
「ふぁ、、♡賢者さ、、ま、、♡」
目を潤ませてこちらを見上げるリア。。
やばい、無意識に両手を動かしてしまった。
てゆーか、これ、おぱーいじゃん、本物のおぱーいじゃん!
僕のファーストおっぱいは舞ちゃんと決めていたのに、きゃあ〜!!
舞ちゃんごめんなさい、僕は、僕はぁぁぁぁ、、、、
いやぁぁああああ!!
、、、、。
、、、、。
いやじゃない。
嫌じゃないよっ。
むしろアリだよ、アリよりのアリだよっ!!
なにこれ、天国かよ〜、、、、。
「け、賢者さま、、、そんなに見つめられたら、わたくし恥ずかしいです、、、♡」
真っ赤になって俯くリア。
「あ♡け、賢者さま、、、♡」
そう言うとますます赤くなったリアの視線の先には、
戦闘態勢、今すぐにでも発射OKの僕の僕。。。
イヤァー!!!!
こんなドッキリ、ひどすぎる!!!
こないで、見ないでぇぇぇぇえええ!!!
と、まあ、こんな感じで僕の異世界生活始まったのであります。
スマホが顔認証しないのは僕の顔が元の数十倍イケメンになったから。この浅黒さは日焼けか元からなのかわかりませんが、瞳は綺麗なうす緑。サラサラ黒髪、身長180の細マッチョ。僕の僕までイケメンになってます。
異世界転生?転移?
僕は生きてるの?死んでるの?
僕が読んでた物語ってだいたいどんなラストだったかな?
てかスマホ使えるんだよね、どーなってるのよ一体。
わからん、考えてもわからん。
もうなるようになれ!!
こうなったらなってみたかったイケメン生活。
満喫するしかねー!!!
くくくくく、、、、。