事の真相
「馬鹿な!?貴様達はついさっきまで建設現場に居たではないか!?なぜ我が屋敷にいるのだ!!」
大声で罵声を浴びせるニースベルだったが、セイルとニールは呆れた態度で答えてあげる。
『確かにいましたけど、貴方が目を離した時にニール王子の《簡易空間移動》で来ただけですよ。強いて言えば、ニール王子が来た理由ぐらい察してくださいよ……』
「セイルくんの言う通りだ。ニースベル領主が、ヤバコ会長と裏取引している事は分かっているよ?ほら見たまえ。」
ニールの懐からヤバコ会長とのやり取りの写真や、実際に取引に使用した書類を見せつける。
なるぼと…道理でヤバコ会長が新人に任せた理由がやって分かった。確かヤバコ会長もエルフだったし、新人は人間だったな。
でも1つおかしい事がある。何故ヤバコ会長は自分の地位を危うくしてまでこんな事をしたのか意味が分からない。ニールも知らないらしいし、どういう事なんだ……… もしかして!
『《案内人》!!ヤバコ会長は生きているか!?』
いきなり大声を出したセイルに驚くニール王子と、ニヤリと笑うニースベル。数秒後に《案内人》から答えが返ってきた。
「ヤバコ会長は1年前に亡くなっています。今いるヤバコ会長は姿を変えた魔人です。」
《案内人》からの返答に驚くセイルとニール王子。それを見たニースベルが高らかに笑う。
「ヤバコ会長は俺に逆らったから殺したまでだ。計画が失敗した場合は、魔人がグラスディアで暴れる手筈になっているのだよ!今のグラスディアに魔人を倒せる人間はいないからなぁ~」
ニースベルが喋り終わると同時に、ニール王子が呼んでいた衛兵達に連れて行かれていった。
セイルは深呼吸すると、《案内人》《技能自動化》を発動する。セイルの真下に魔方陣が展開すると、ニール王子は何時もと変わらない口調で話す。
「いってらっしゃいセイルくん。グラスディアを頼んだよ!」
『ニール王子…。いってきます!!』
そう話すと、セイルは一瞬の内に消えたのだった。




