エンシェント到着
「マスター…マスター?もうすぐエルフの国エンシェントまで後1時間で到着致します。そろそろ起きてください」
《案内人》の問い掛けに目を覚ました。あれから大体5時間程たったみたいだ。すっかり日が暮れて、辺りは暗くなってきた。
『何時もありがとう《案内人》。後は自分で行くからまたよろしくね。』
左目から蒼い光が消えると、セイルはエンシェントに繋がる街道に出ると、再び走り出した。
《案内人》は指定された場所への最短距離を自動で案内してくれるスキルの1つだが、森を突っ切ったり、通行禁止区画を無断で通る事が多くある。発動中は意識はなく、《案内人》が肉体を操作しているのだ。
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《案内人》の言う通り1時間程走ると、遠くに建物の明かりが見えてきた。エンシェントには7年前に来たことがあるが、余り変わってなさそうだ。
国境にある検問所に到着すると、警官が話しかけてきた。
「ようこそエルフの国へ。今回はどの様な用件できたのですか?」
『グラスディアの【運び屋組合】より、材木300本の納品に参りました。この《アイテムボックス》に入っているので、確認お願いします』
セイルは材木を入れた《アイテムボックス》を警官に渡した。半信半疑の警官だったが、《アイテムボックス》を見た途端、慌てた様子で確認し始めたと思うと、上司らしき人を連れて戻ってきた。
「あの~……すみません。この《アイテムボックス》は我が国の名工ガンドウ作の物でしょうか?また、王家の紋章も刻印しているのですが、お名前を聞いても宜しいですか?」
(確かにガンドウっていう人に作ってもらった物だし、王家の紋章だって命を助けた礼として刻印しただけなんだけどなぁ~………)
『セイルと言います。7年前に1度だけ来たことがあるのですが……』
2人の警官は大変に驚き、入国手続きを免除してもらうことになった。
何でも、王家からそういう対応をするように言われていたらしい。
無事エンシェントに入国したセイルは、宿を探す為に歩き出す。また、セイルがエンシェントに来た事が王家に速達で伝えられたのであった。




