レイスの受難
魚人ギレンと妖精セレーヌが切り開いてくれた道を潜り抜けたレイスと神狼リル。彼らが王都に到着したのは【錬金王】ガンテツが立ち去ってからほんの数分後の出来事だった。
ほんの前までは人々が笑顔で生活していた故郷が廃墟同然の様をみたレイスは後悔の念を浮かべていた。
神狼リルは周囲の匂いから何が起きていたか情報を集めていた。不死鳥リヴァが魂を読み取る力があるように、神狼リルは匂いから読み取る力が備わっているのだ。
「これは……ガンテツの《錬金術》とイデアに似た邪悪な力…これは無毒食虫植物か。イデア……【魔王】は……」
ぶつぶつと話すリルの背中で眠っていたレイスの弟レイルが目を覚ました。その事に気付かない二人だったが、レイルの必死な叫びに嫌がおうにも反応せざるおえなかった。
「姉さん!リル!!今すぐ上に飛んで!!!!」
理解より先に身体が反応した二人はすぐさま飛び上がると、さっきいた場所を含めて巨大な爆発がおこっていた。レイルが気付かなければ確実に二人とも死んでいただろう。
「助かったよレイル。もう大丈夫なの?おかしい所はない?」
「大丈夫だよ姉さん。何だか身体が軽くなったみたいなんだ!それよりも来るよ!?」
爆煙が晴れていくと1人の人間が立っていた。その容姿をみたレイスは驚きを隠せなかった。
「あれは……セイル?いや、違う!!」
爆煙から現れたのはセイルの姿をした【魔王】イデアだった。




