それぞれの戦い②
「なっ!?……貴様何をした!?」
《獄炎》を無効化された【弟】は驚きを隠せなかった。何せ火の技能を不得意とされるエルフから同じ技能で相殺されたのだから。
「貴方には理解できないでしょね?借り物の力で強くなった今の貴方ではね?」
リーフは指を鳴らすとドーム状に結界を張り、腰を落として左右にステップを踏む。
「今《技能無効化結界》を張りました。この意味が貴方に分かりますか?」
「ふっ……エルフが技能を捨てて肉弾戦だと?俺も舐められたものだな!!」
地面を蹴り飛ばし拳を振り上げる【弟】。一方、リーフはステップを踏みながらまるでボクシングの様に構える。
「喰らいやがれ!クソエルフ!!」
振り下ろされた【弟】のパンチを予測していたかの様に躱し、右ストレートのカウンターを喰らわした。
「ぐぼふぁ!!!?」
「あらあらどうしましたか?技能が使えなければただの案山子ですか?」
その後何度も攻撃を仕掛ける【弟】だったが、全て躱されカウンターを喰らう始末。まるで攻撃する場所が分かっているような動きをしていたのだ。
(おかしい……この結界は間違いなく技能を無効化している。だが何故クソエルフは未来予知かのように動けるのだ?よく考えれば最初からそうだ。ヤツは俺の探知に引っ掛からずに《転移》している。少なからず空間の歪みが発生するから、事前に分かる筈だ…………まさかヤツは!?)
現状を打開する策を考える【弟】に今までカウンターの姿勢だったリーフが急接近する。右手に膨大なエネルギーを纏わせ、強く大地に踏み込む。
「《一点集中》《全属性融合》《拳王》」
「ま、待て!?何故技能がつかえt……」
七色に光る右こぶしを顔面にめり込む形で殴りつける。顔は潰れ、【弟】は結界まで吹き飛ばされると、いつの間にか殴られる瞬間に戻っていた。
「はっ?えっ???」
そしてまた顔面を殴り飛ばされ、結界についた瞬間にまた殴られる時に戻される。顔面を殴られると分かっていても身体は動かず、何度も何度も殴り飛ばされた。それはまるでループしているがのようだった。




