集いし者達⑤
変貌した弟レイルを目の当たりにしたレイスは、全く動けずにいた。察してか《案内人》が無理やりレイスの精神を追いやり、レイスの肉体を操作して戦闘態勢へ移した。
「流石は姉さん。最強と謳われた【大聖女】は伊達では無いと言うことか。まさか子孫の肉体に転生しているとは……いや、僕がこの時代に来ることを《予知》していて策を講じたのか。」
冷静に状況を把握する【弟】を他所に《案内人》は、技能《剣聖》と《不死鳥召還》を発動。リヴァと合体し、【弟】に対して光速で剣を振るう。
「無駄だよ姉さん。僕はレイスの弟として今までの特訓の様子を特等席で観れていたからね。前と同じにはならないよ?」
光速で放たれる剣撃を軽く交わしながら淡々と話す【弟】に《案内人》は焦ってはいなかった。確かに【弟】が話した通り《案内人》だけなら勝てないだろう。だが今は違う。
『あんまり舐めてると痛い目を見るよ【弟】。なぁレイス?』
「何を言っても無駄……だ?」
突然レイスの動きが止まり、剣を投げ飛ばした。一瞬だが【弟】の意識が剣に向いたその時だった。地面から蔦が飛び出し【弟】の四肢を拘束したのだ。
その隙を見逃すレイスではない。レイルを助ける為、リヴァと特訓して身に付けた技能を使用する。
この技能はとても強力なのだが、その変わりにとても集中力が必要であり、必ず二人一組で行わないとけない技能なのだ。だが、レイスは例外である。何故なら《案内人》がいるからだ。
レイスは全ての力を右手に集中させ、【弟】の胸に近づけ技能を発動させる。
「返してもらうわよ!私の弟を!!《強制魂解放》」
眩い光と共にレイスの右手から放たれた莫大なエネルギーは、レイルの魂から【弟】を切り離していく。
「バカな!?一歩間違えば実の弟を殺しかねないのだぞ!?それにそんな技能持っていなかった筈だ!!」
動揺を隠せない【弟】は蔦の拘束から抜け出そうとするが、更に蔦が絡み付きレイルだけが蔦から逃れ、前に倒れ込む。
「《案内人》が言わなかったか?1人で戦っていた昔とは違うんだよ!今は1人じゃない!!」
レイスの背後から何かが神速の速さで【弟】にぶつかり、くの字に曲がった【弟】吹き飛ばした。
『セイル様と不死鳥の認めた人間の頼みとなれば、例え火の中水の中。この神狼リルが加勢いたします。』
『レイス……王女……セイルの……大事な人!私が……命を掛けて……必ず……守る!!』
そこに現れたのは四大聖獣の一匹である神狼リルと、元ライトニング・バープルのメンバーであるリーフだった。




