集いし者達③
各国の《変幻自在》達が次々と倒されていく惨状を目の当たりにしたイリル。彼の全技能を付与した彼らが負けることは完全に想定外だった。
「何故だ!?何故に貧弱な者達に勝てないのだ!!各種族の力を組み込み、あらゆる耐性を身につけた最強の魔族がなぜ……」
潜伏先の研究所のモニター越し確認していたイリルはあることに気付く。人間国に送り込んだ《変幻自在》達の様子が一切分からないのだ。
「まだあいつら生きているはずだが……くそ!レイス王女のデータが圧倒的に足りないってのに……」
イリルが最もしりたいこと。それはレイスの近況だ。獣人国での戦闘を機に全くレイスの戦闘記録が取れていないのだ。
「セイルの野郎……レイス王女に何か知られたくない秘密でもあるのか?……まさか!?」
イリルはセイルの話を思い出す。レイスはセイメイの直系であり、この一年の急激な成長速度が意味する結論。
「レイスはセイメイの転生体。だから魔王はレイスを殺そうとした。そうかそうか!!」
彼は急いで荷物を纏め、人間国へのゲートを開く。
「レイス王女を何としても手に入れてやる。そうすればオレハマタ地上二……」
イリルは人間国へ侵攻を開始した。その目は赤く輝いていた。




