時空洞窟
次回は1月15日12時投稿です。
【時空洞窟】。セイルが魔王討伐の際に立ち寄り、体調不良でダウンした唯一の場所。
その入口に到着したセイルは、無言で歩みを進めた。ここからは一切技能が使えない……つまり《案内人》やレイス等への連絡も出来なくなる。
洞窟内は常に波打つように変形を繰り返し、この世界のあらゆる景色をリアルタイムでランダムに映し出される。そのなかには新たな生命が誕生した瞬間や、大切な友人が死ぬ瞬間も見られる。
その様子を見ながら、セイルは1人で奥に進んでいく。この洞窟には敵となる存在はいない。唯々世界の情景を映す異端な場所なのだ。
1時間ほど歩いていくと、貴族の屋敷を思わせるよいな大豪邸が確認出来た。以前来た時には大きな湖があったが、恐らくイデアが埋め立てたのだろう。
「聖力の湖を埋め立てたのか。イデアにとっては毒そのものだからしょうがないよな。」
魔族であるイデアにとっては、聖属性の水は毒そのものだ。だか、埋め立てた上に屋敷を作るのは不自然に感じられた。
「イデアの考えは分からんが、さっさと始めようか。」
セイルは屋敷めがけて全力で飛び蹴りをかました。1キロ程離れた場所から光の速さで放たれた一撃は、屋敷を全壊させた。
『うぎぁぁぁぁ!!!!!』
瓦礫から辛うじて這い上がってきたイデアは、何故か空中に浮かぶセイルに度肝を抜いていた。
『な、ななななぜ!?空中に浮いていられるのだ!?技能は使えないはずだ!!』
狼狽えるイデアは気付かない。瓦礫を中を移動するもう1人に……




