人外に常識は通じない
「はぁ~…。セイルと一緒に出掛けたかったなぁ……」
セイルが出発した頃、1人寂しく書類仕事をしていたレイスは、高速で山のように積み上がった書類に判を押していた。
「さっさと終わらせて合流しよか…………な?」
レイスはある書類に眼を通す。書類にはここ最近の移民者一覧が写真付きで載っていたのだが、その写真に違和感を感じたのだ。
「情報は正しいけど、写真の顔が変なのかな?」
『いや、お主の考えは当たっておるよレイス。よく気が付いたね!』
レイスの後ろから不死鳥リヴァが顔を出して答える。レイスの師匠として行動しているリヴァは、時折顔をみせに来ているのだ。
『レイスや、よーく見て感じなさい。今のお主なら分かるはずじゃ!』
レイスは深く深呼吸をすると、再び写真に向き合い、リヴァから教わった事を思い出す。
あらゆる物の生命を感じられるようリヴァに鍛えられたレイスは、写真の顔の中に別の顔が立体的に視認することが出来た。
「これは魔族をベースに色んな種族の顔が見えるですけど……師匠どういう事ですか?」
首を傾げるレイスに、リヴァはカカッっと笑うと優しく頭を撫でる。
『そこまで見えるとは……レイスよ、答えならすぐ分かるわい。ほれ!』
その時、レイスとリヴァの脳内にセイルの声が聞こえた。
『二人に頼みたい事がある。各国にいる変装した魔族を倒してきて欲しい。』




