王女の恩人
グラスディアの王女レイス・フォン・サーシェス(18)は、従者を連れて【運び屋組合】に向かっていた。レイスはある少年の事を考えながら、揺れる馬車の中から外の景色を見ていた。
魔王が討伐されたと連絡が届いた4日前のあの日…。最果ての島から映像が来た時は大変驚きましたが、その映像も彼が用意した聞いた時は更に驚きましたわ…
「あの少年は今何しているのでしょうか?早く会いたいわ……」
レイスは8年前に魔王の呪いを受けて、生死の境を彷徨っていた。ある1人の少年が呪いを解呪するアイテムを使い、事無きを得たと父親である国王から聞かされていた。
気がついた時には既に他国に行っていた為に会えなかったが、いつかお礼を伝えたいと考えていた。
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考え事をしている内に【運び屋組合】に到着した。視察と称してあの少年を捜しているとは本人以外知る由もない。
「王女様?【運び屋組合】に付きましたよ。さぁ行きましょう」
従者に声を掛けられ馬車を降りるレイスに、遠くから猛スピードで近づいてくる人影が見えた。
「お下がり下さい王女様!全員戦闘態勢準備!王女様を守りなさ……い?」
従者長の命令でレイスを囲む様に陣形をとるが、何かに気が付いたのか皆が食い入る様に人影を見つめる。
人影が近付くと従者達は涙ぐんだり喜んでいる。気になったレイスは、従者長に恐る恐る尋ねた。
「あの〜……皆さんどうされたんですか?あの人は一体?」
泣きながら従者長はレイスに丁寧に説明をする。
「あの人が…ぐすっ……王女様を救って下さったセイル様ですよ!帰ってきたのですね…ぐすっ…」
「えっ…!?あの人がセイル様……」
レイスが会いたかった人が今、目の前に現れたのだった。




