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最弱師匠と最強の弟子!  作者: 福田ひで
第一章 最弱師匠の誕生
13/17

その十二 いい師匠

「か、和人ーー!」


するとマオンが泣きながら俺の所に向かって来る。


「おい、おい、どうしたそんなに泣いて。子供じゃねぇんだから泣き喚くんじゃね―――ぐはっ!?」


そう思った瞬間俺はマオンにぶん殴られた。


「お前ふざけんじゃねぇぞ!こっちは重機に潰されかけたんだぞ!ぺっちゃんこになりかけたんだぞ!怖かったんだぞ!約束しといて遅れんじゃねぇよ!」


マオンは豹変したように俺の体を文句を言いながら揺さぶる。


「おおお、落ち着けマオン!お前の気持ちもよく分かるがこっちも事情があってだな」

「うるさいわ!もう一発ぶん殴らせろ!」


そう言ってまた殴るか前に入る。


「ちょっと何遊んでんのよ!さっさと用事を済ませてよ!」

「誰ですか、この人」

「俺の弟子だ」

「(仮)よ!まだ完全には認めてないんだからね!」


そう言ってハイナはそっぽを向く。


「おいガキ共。また邪魔しに来たのか。何回言えば理解するんだお前らは」

「そうっすよ!ガキはさっさと家に帰ってママのおっぱいでも吸ってろっす」

「すっすっすうるせぇな。特徴付けて顔覚えてもらおうとしても無意味だぞ。だってお前、何の特徴もない顔してるし」

「な!?余計なお世話っす!」

「とりあえずこれ以上俺らの邪魔をするなら………っ!?お前……」


するといきなり男が強張った顔で固まる。

その瞳の先にはハイナの姿があった。


「な、何でそこにコイトの弟子がいるんだ!」


思った通りだ。

こいつらの共通認識が1つある。

それはコイトを怒らせると怖いということだ!

ハイナを連れてきたのは正解だった。

苦労して説得したかいがあったな。


「ハイナを傷つけたらどうなるかお前ら見たいなクズ野郎でも分かるだろ」

「くっ!今この場でやつとやり合うのは無駄だな。おい!引くぞ!」

「え?ですが……」

「いいから行くぞ!」


そう言って全員そのまま帰って行った。


「ふぅ〜これで一件落着かな」

「流石です和人さん!まさかこんなあっさりあいつらを追い返せるなんて!」

「まぁな。それもこれもこいつのおかげだ。な?ハイナ」

「触らないで!私は今あんたに触られなくないの!」


えー……めっちゃ嫌われてるんですけど。


「どうしたんだよ?俺変なことしたか?」

「うるさい!もう用事終わっでしょ!私はもう帰るから」


そう言って怒りながらハイナは帰って行った。


「何なんだよあいつ。思春期か?」

「女の子の心は難しいものですよ。それより、もうここが壊されることが無いことをお爺さんに伝えましょう」

「そうだな」


俺達は爺に知らせる為に家の中に入って行った。


「おーい爺!もう昨日の奴らは追い返したから大丈夫だぞ!」

「しねぇい!クソガキが!!」


するとその瞬間首に激痛が走る。


「ぐはっ!?なん……で……」


俺はその場に崩れ落ちた。


「ん?あ、すまん。間違えた」


――――――――――――


「いてて……くそ、普通殴るかね」

「まぁまぁそれくらい良いじゃないですか。お爺さんもここが壊されると思って気が立ってたししょうがないですって」

「ま、そう言うことじゃ!ガハッハッハッ!」


笑ってんじゃねぇよこのクソジジイが。


「ああ〜あ!こっちは爺の為に頑張ってやってたってのにこの始末。なんか損した気分だぜ」

「何を言っておる。それより、おめぇらこれからどうすんだ?」


そう言って自分のひげを触る。


「そうですね。僕は師匠資格を取ります。僕の夢なんで。それは絶対諦めません」

「うん、そうか。で、おめぇは?」

「俺も同じ、取らないとうるさい弟子が居るからな」

「ふっそうか。おめぇらはやっぱり師匠資格を取るんだな」


そう言うとある地図を渡してきた。


「ここに行けば、わしの知人が居る。そこで鍛えてもらえ」

「え?それってどういうことですか?」


マオンが受け取った地図を不思議そうに見つめる。


「一般的に師匠になる方法は2つある。1つは試験に合格すること。もう1つは実績を積んで上に認めてもらう事。だがおめぇらには今の現状がどれも無理だ」


ま、試験の内容も見た感じ厳しそうだしそうだよな。


「師匠は心、技、力が大事じゃ。弟子を導く心、弟子を育てる技術、弟子を守りにく力、それらが無ければ師匠にはなれない。それゆえ挫折する者も多い。おめぇらもそうなるだろう」

「じゃあどうすりゃいいんだよ」

「その為の師匠育成場じゃよ。今渡した地図はその育成場をやっている。バランと言えば鍛えてもらえるだろう」


そう言うと、爺さんはゆっくりと立ち上がる。


「本当はもっとお礼がしたいんだが今のわしにはこれくらいの事しかできん。すまないな」

「気持ちだけで大丈夫ですよ。安心して下さい!僕は必ず師匠になりますから」

「そうか……」

「じゃあな爺さん。色々世話になったぜ」


俺は地図をポケットにしまい立ち上がる。


「和人よ。いい師匠になれよ」

「………あんたは長生きしろよ」


俺は師匠資格を取るために爺さんの知人に会いに行った。



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