その十 気絶した
「さぁ〜てとどうすっかな〜」
俺は剣を肩に担ぎながらこれからの事を考えた。
先ずはやっぱり師匠資格を取るしかないが金が必要なんだよな。
やっぱり一度家に戻るしかないよな。
俺はそんな事を考えて歩いていると目の前に倒れている人が居た。
「うわ!まじかよ」
俺は急いでその倒れている人所に向かった。
「おい、大丈夫か!」
その人は所々殴られた後があった。
喧嘩して負けてそのまま置いてかれたのか。
「ん?ちょっと待てよまさか………」
俺はうつ伏せに倒れている人を仰向けにさせた。
「やっぱりマオンか。何してんだよテメェは」
俺はマオンの頬を叩き起こす。
「ほら起きろー朝だぞー!」
「う、ううん………う、あれ?ここは」
「おーやっと起きたか。お前ボロボロの体でこんな所で寝て何してぇんだ?そういう趣味があったのか。それなら申し訳ないことしたけど」
するとマオンが思い出したかのように飛び起きる。
「そうだ!あいつら!」
「あいつら?あいつらって誰だよ」
「あれ?居なくなってる」
あいつらはこの傷を見る限り殴ってきたやつの事言ってんのか。
「なあ何があったんだ?」
「実は僕が和人さんに奢らせられた時に自力で師匠の資格が取れる場所に行ったんですよ。その時お金が必要だと言われて、和人さんに奢ってしまったから払えなくて途方に暮れていたら試験に落ちて悪飲みしてた人に捕まってしまって、その時に実はお爺さんの事についての話があったんです。知ってますか?実はお爺さんは―――」
「ああ〜そこらへんは俺も知ってるから話さなくてもいいぞ」
「あ、そうなんですか。そして僕はその話を聞いてお爺さんのことが気になって気になって仕方なくなってしまって僕、また行ったんですよ。その時見ちゃったんです。お爺さんに暴力を振るってる男の二人組を」
もしかしてあの傷は………
「それでその姿を見て許せなくなってしまってですね、僕、殴りに行ったんですよ」
「それで?」
「それで呆気なく反撃されボコボコにされて気絶したってオチです」
「お前馬鹿だな。勝てないのに戦いに行くんじゃねぇよ。それをカッコイイと思ってんのか?それはただのバカだぞ」
「わ、分かってますよそんなの!それよりお爺さん大丈夫かな」
マオンはボロボロの家の方を見つめる。
「行ってみるか。とりあえずまた何かあるかも知れねぇし」
「そうですね行ってみましょう」
俺達は再びお爺さんの家に向かった。