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第六話 先生。

 今、俺は先生の家にいる。

 外見的には雄々しい彼女も、家は何とも女性らしい。

 女性の香り、観葉植物、ペットの猫…とか色々。まさかこのような趣味の人間だとは…。

「で、これからどうする」

「…やるしかないな…」

 まさか、自分で自分の父親を葬り去らなければいけなくなるなんて…。


 そして、先生と二人で外へ出て親父の帰り路で待ち伏せする。

 …日影に見つかったら俺ら、アン・インストールされそうだな…。

 彼是もう1時間は経過している。

「まだ来ないのか?遅すぎるような…」

「どこかで飲んで他の女とイチャイチャしてるんじゃないの?」

「まさかそんなこと………あったわ」

 親父が歩いてきた。…若い子を連れて。ただの後輩だといいのだが…。。

「本当に他の女といちゃついているとは…。太陽のお母さんの為にも成敗しなきゃね」

『それでよ~、那月がよ~………』

『うわ…そうなんですか…?………ですね………』

『よし、今夜はお前ん家で二人でアレするか!』

「…何かこういうのを見ると腹が立ってくるな…」

「…先生も不倫されたことあるんですか?」

「うっさい!黙ってろ!」

 この顔は多分彼氏すらできたことがないというような顔だ。

「…何だその顔は?彼氏くらいいたことがあるぞ。…幼稚園の時に」

「それは……」

 彼氏じゃなくて幼馴染。と言おうとしたが止めておいた。

「で、先生。こんなことしている場合じゃないですよ」

「あっそうだったわ…」

 まぁ、俺にも原因はあるが…。…それにしても親父のこんな姿を見ることになるとは…想定外だ。

 俺だって早くシたい!高校生でもまだ童貞とか恥ずかしくて死んでしまう!

 などと馬鹿なことを考えているうちに先生は、多分まともに戦ったことのない親父に技を繰り出していた。

「何呆けているだ。早くアン・インストールしてくれ。その子も一緒にね」

 先生の勝手な考えで巻き込まれる女性、カワイソス。

「…太陽…!何故お前がこんな馬鹿な真似を…!」

「…アン・インストール…っ!」

「ぐわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

「えっ!なっ、何…?」

 いきなり奇声がして勝手に体が光って消えていくのを見れば、この技を知らない人にとっては驚くのも無理ないだろう。俺もそうだった…。

 だが、母さんの人生を狂わせ、親父の人生を狂わせたこの女にも制裁が必要だ。

「…アン・インストール」

「…~~~~~~~~~~~~!!!」

 声にもならないような悲鳴を上げ消え去る女。

「任務完了だな」

「そうですね…。何か見ちゃいけない気がするところもあったが…」

「…それは良かったですね」

 突然背後から聞き覚えのある声が聞こえる。

 振り向いたそこには日影がいた。

「…何で、…何で呼んでくれなかったんですか!!」

 涙目になって訴えかけてくる。あまりにも可愛くてすぐ平身低頭して謝りたいくらいだが、あんなドロドロの昼ドラみたいな現場を見せる訳にはいかないからな。…あんなことになっていたのは初めて知ったが。

「お、日影…。今回は日影は来なくて正解だったよ」

「そうだな。不倫現場を見せる訳にはな」

「…不倫?」

 一応話してみた。

 …結構時間がかかったよ。ただ勉強ができるだけで、自頭が良い訳じゃない感じだからね。

「太陽はそんなことしないでね…。先生とか」

「ハハハ、私は可愛い可愛い日影ちゃんの彼氏を取ったりはしないさ。遊ぶだけさ」

「さらっと何言ってるんですか!」

 とんでもない女だなこいつ…。騙されやすい男だったら今頃手玉に取られていたかもしれないな…。今も何気に手玉に取られている感じがするが。

「今日は私も先生のところに泊まる!」

 そう言って聞かなかった日影を、先生は仕方なく泊まるのを了承した。

 やっと先生の家に帰れる…道のりは長いが。25分もかかる。

 一応気になることを聞いてみる。

「…アン・インストールって痛いのか…?凄い声上げているんだが…」

「あぁ、アン・インストールは痛くない技だよ。ただ、死ぬのが嫌なんだろうね」

「痛みもなく死ぬとか怖すぎだろ…」

「…私、疑問がある」

 学年トップの秀才が持つ疑問とは…?

「先生ってどうしてこれに…?」

「そう言えば、全く分からんなぁ」

「…そんなに知りたいのか?」

 そう言って何やら考えているようだが…彼是15分も考えている。

「あの~…」

「私はこの組織に家族を奪われた。この組織を転覆させるために、組織を破壊するためにいるんだ」

「本当に…?」

 黙って考え込んでいる感じだったから、ただの嘘である可能性も十分ある。

「本当だ。…そして、私はこの組織に入った」

 壮絶な過去を聞かされることになるとは…。何故誰もがこのような壮絶な過去を歩んでいるのだ…?甚だ疑問である。

「私はこの団体が、警察から指名手配されていたりする犯罪者を殺しながら、全く関係ない一般人も殺しているのではないかと睨んでいる」

 そう言われると、そうなのかもしれないと考えてしまう。親父が不倫するクソ人間であったことを知ることはできたが…。前回言われた組織のようなもの。そんなものに入っているなど考えられない。そして、何故捕まえるのではなく、殺すのか。それが疑問で仕方なかった。ただ捕らえるだけでもいいはずだというのに。

「国家転覆…。いや、世界をリセットしようとしているのかもしれない。そう考えている」

 と言うと同時に、家に到着した。

「…先生の家…先生の家…!」

 急ぎ足で家の中を探索する日影が可愛い。

「入っても何もないぞー?」

 などと言っているが…何もない訳ではないだろう。俺はさっき見たぞ!家にある女子っぽいものを!

「先生…可愛い…」

 日影も俺と同じになってしまったようだ。


 そして、ゆうべはおたのしみしました。




 疑問が色々生まれてしまった。

 本当に犯罪撲滅組織なのか。

 犯罪撲滅を掲げてはいるが、実は国家転覆、世界滅亡の組織なのではないか…と。

 そして、…先生は何故いつもあんな感じなのか…?もっと女性らしくしても良いんだよ!




 それにしても、この任務が終わった後、新しい任務が入って来ない…。これも疑問だ。

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