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第四話 やはりこんな青春ラブコメのようなものは間違っている。

 と言うことで。

 朝が来た。ドキドキして全然寝られなかったわ…。

 インターホンが鳴った。もう来たのだろう。

 時間を見てみる。。午前8時。いくら何でも早すぎる気がする。

 朝食も一緒に食べるつもりなのだろうか…。

 と考えながら玄関まで行き、扉を開く。

「…おはよう…」

「…日影も寝られなかったんだな」

 二人とも眠いなら…そうだ、部屋で寝よう。

 ただ、先生がそんな言葉を聞けば大変なことになるだろう。

 ただ、今日はそんな邪魔者はいない。…はず。

「…朝食、作って…」

「分かった」

 でも、俺は親と一緒に住んでいるから、簡単なことじゃないが…

 と言うか、インターホンが鳴った時は親が出てしまうのではないかとひやひやしていたよ…。


「早くして」

「両親はいるの?できれば二人になりたいな」

「…赤色が足りない気がする」

「太陽のパンツで漬けたきゅうりが食べたいわ」

「太陽の牛乳が飲みたいわ」

「私が手伝ってあげる」

 と言って俺に抱き着く。手伝いどころか邪魔である。離れろコラ。

 …と言うか、それ以前にも突っ込みどころ満載なことを言い放っている…

 どんどん冷静沈着で高嶺の花という雰囲気が崩れていく…

 元からこういう人だったんですかね…?それとも俺だから?

 そんなことは兎も角、ラノベ主人公みたいな性格ではない俺には、彼女の気持ちにはもう気づいている。

 きっと俺に好意を抱いているのだろう。いきなりこんなこと言い出すのは好きでもないただの友達であっても考えにくい。

 「パンツで漬けたきゅうり」だの、「俺の牛乳」だの、友達同士の冗談を超えている。

 …どうでもいいけど、この子はあの動画サイトを見ているのか…?もしかしたら、その動画サイトでアニメを見ているのだろう。

 などと色々考えながらも間違えることなく料理が作れる俺。流石だぜ!

「できたぞー」

「…おいしそう…」

「当たり前だ…俺の力作だからな…」

 そして食べ始める。俺はさっきまで考えていたことを一応確認してみる。

「…俺のことが好きなんだろ?」

 …ちょっと、返事をして下さい。

「……………」

 顔を赤らめ黙々と食べている。その赤い顔と泳いでいる目が全てを物語っていた。…まさか読みが当たるとは。

「その漬物は一応俺のパンツで漬けてやったぞ」

 さっき「太陽のパンツで漬けたきゅうりが食べたいわ」などと言っていたから、言ってやりました。

 …結果。

「―――ンッ……ケホケホ…ゲホッゴホッ」

 盛大にむせてやがる。やはりあんなことを言っていたものの、実際に言われると…といった感じか。

 そうなるなら言うなと思う。まぁ結果面白いからいいや。

「その牛乳は俺のだぜ」

 さっき「太陽の牛乳が飲みたいわ」などと言っていたから、言ってやりました。

 …結果。

「―――ンッ……ケホケホ…ゲホッゴホッ」

 盛大にむせてやがる。やはりあんなことを言っていたものの、実際に言われると…といった感じか。

 そうなるなら言うなと思う。まぁ結果面白いからいいや。

 それで。

「…吐き出さないでくれよ…あぁ…拭かないと…」

 こいつ、面倒臭いかもしれない。



「で、どこ行くか…?」

「映画館行こう!今私の大好きなアニメの映画が…!」

 と言われ引っ張られる。…あれー?俺がエスコートされようとしてる?

 で、映画館に着いた訳だが。

「…人多過ぎ…」

 どうやら人混みは苦手らしい。こいつどうやって映画見てんの?

 取り敢えずぎゅっと抱きしめてみる。日影は全身真っ赤になる。…決して俺が抱きしめてかぶれたわけじゃないぞ。

 約1時間半後。

 映画が終わった。とてもいいものだったよ。

「太陽、映画…凄く良かったね!!」

 何だ?映画一つ見るだけでここまで豹変すんの?人って…。

「そうだな。いっつもこれくらいハイクオリティーだといいんだが…」

「遊園地行きたい!!」

「お安い御用だぜ」

 …定番ではあるが。定番過ぎて。駄目だなあ。見ているアニメみたいに上手くいくはずがないだろうに。



 そして遊園地に着く。

 いつの間にか昼になっていた。

「昼…何にするか…?」

「あれがいい!」

 指さした先にはハンバーガー店。

「…本当にいいのか…?」

「勿論よ」

 …少しは食べるもの考えたらどうだろうか…。

 一応それなりに金は持ってきてはいるが…心配だ。

「じゃあ俺はこれで」

「私はこれとこれとそれとあれとこれとそれね」

「多過ぎじゃああああ…」

 普通のハンバーガー店でかかる金の数倍かかりました。

「…ちゃんと食えよ、それ…」

 ハンバーガー6個。こんな体系の女子にしてはかなりの量である。

 しかし。俺が食べ終わって見てみると…。

「…遅いよ…どうして1個食べるのにそんなにかかるのよ…」

 6個全部食べ終わっていた。

「早すぎィ!」

 どうやらとんでもない体の持ち主のようだ。…内臓のことだ臓…。あれ、ちょっと涼しくなったぞ。

 そんなことは兎も角。

「観覧車!」

「ジェットコースター!」

「コーヒーカップ!」

 忙しい。化け物だこの子…バケモノの子だ!翻弄されるよう…。

「俺、疲れたから…ちょっと待って…」

「だーめ。折角遊園地に来てるんだからいっぱい遊ばないと」

「まだ遊び足りないんすか…」

 酷いなあ。

 仕方なく最後まで付き合うことにした…。


「あー楽しかったー!!」

「ううぅぅう…はぁあぁぁあ…」

 やばい。元気すぎ…。俺を殺す気か…。

「何でそんなに体力あるんだよ…」

「運動しないと体が大変なことになるってテレビでよくやってるから…。アニメとか見てない時は運動しているの」

「…マジかよ…」

「因みに、時間は毎日5時間よ」

「は!!??」

 驚愕した。あれだけ食べても太らない理由には排泄だけでなく、使っていたのか。

「今度行くときは私に着いて行けるような体にしてきてねっ」

 …お前が合わせてくれよ。と思うが、流石に男のプライドが許さなかった。

「おう!やってやるぜ…今度は俺が翻弄してやる…」

「なんでそんなに燃えてるの…?」

 で。メールによれば、今日は泊まるんだっけ…?

 これからどうなるか不安である。



 家に着いた。

 …親に見つかりました。どうしよう。

「これは、その…」

「…実はですね」

 説明してくれてありがとう。たまには…いや、いいやつだなぁ。

「ゆっくりしていってね!」

 …そうだった。親もネットで動画を見るのが好きなんだった…。何だよこの家族。


 取り敢えず俺の部屋にあげる。

「…太陽のにおい…好き…」

 …そんなこと言わないで下さい。

「で、これからどうしようか…」

「あっ!ゲームしよう!」

 どうやらゲーム機を見つけられてしまったようだ。奥にしまってあったのに何故わかった…。

 対戦ゲームをやってみる。

「やった~!」

「…強すぎだろ」

 全てにおいて俺を上回っていた。

「…これで勉強さえできれば完璧人間なのになあ…」

「うっ、うるさい…!」

 そして結構攻撃力あるんだな!痛いぞ!

「痛いなぁ…。力まであるのかよ…」

「…どう思う?」

「悪くはないと思います。ただ、ゴリラっp」

 ………

 ゴリラと言ってみたらアッパーされた。

 天井にぶつかる。

 太陽に1290のダメージ▼

 太陽は気絶した!

「…あれ…?太陽…?」

 この怪力女!覚えて…ろ…。

 それにしても、ブルーノアンダートは死んだのに、俺はただの気絶というところが何とも不思議である。


 ………目が覚める。

 俺は布団にいた。どうやら布団に入れてくれたらしい。

「あれ…?日影は…?…あっ…」

 やばいかもしれない。お腹から足にかけて温かい感触。

 布団を剥いでみる。やっぱりいた。しかも全裸でね。

「何で全裸なんだよ!服を着ろ!」

「…お詫びに奉仕がしたくて…」

「そういうのはもう少しお互いによく知って、ちゃんとした関係になってから…」

「もう私は十分ちゃんとした関係だと思う」

「…高校生の間は我慢しろ」

「嫌だー!だって私は高校性だからっ」

「…絶対『生』の字を『性』とかに変換してるんだろうな…」

 大変な約1日でした。




 ただ、楽しい日もあれば、楽しくない日もある。




 それは、狙っていたかのようにやってきた…。

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