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第三十五話 (上の)空

 前回の件に関して、一つ疑問がある。

 それは、ここまで数々の悪行を行ってきた組織(あくまでも個人の意見です)が、何故ここまで迅速に対応し、解決させたのか…。もし彼の言った通りであれば、このまま解決させずに世界を破滅させ、思い通りの世界を生み出すと言うことも出来たはずである。

 インターネットや世界の人々が言っている「世界を破滅させ、思い通りの世界を創ろうとしている」というのを全面否定しようとしているようである。

 「悪」の烙印を押されているのを、何とかして払拭したいのだろうか…。そして、ほとぼりが冷めた頃に動き出そうとでも…。

 ただ、本当に間違って破壊してしまい、世界を破滅させるような意図はない可能性もある。

 また、実際は恐ろしい計画などない可能性までもある。

 まだ組織の本質を見通せていない以上、どうなのかは分からない…。ただ、何としても早めにどちらかに目をつけて、行動していかなければならない。

 …。

「おい、米里!」

 声を掛けられて、やっと今が授業中であることに気付いた。

「最近アホ面して何か考えて…。一体何があるんだ」

「何もないですよ。頭にあるのは遊ぶことだけです」

「授業に集中しろよ…。だから成績が滝のように落ちていくんだぞ」

 どの先生にもいつもこのような事を言われ…。うんざりだ。ちょっといじって遊ぼう。

「五月蠅い!先生はもっと授業に励め!はげめ!禿め!」

 ちょっと髪が薄くなってきた人には突き刺さるこの言葉。この先生はちょっと前髪が薄い。まるで若かりし頃の桂歌丸氏のようだ。

「Go to 職員室 later」

 その後、俺は先生のかみなり(威力110)をもろに受けることとなったのは言うまでもない。

 

「また組織の事考えてたの?…そんなに組織が好きなのね」

「何言ってんの…。好きで組織の事なんか考えたりしない」

 というか、組織のことなど一切考えずに済むようになりたい、基したいわ。

 …で、そこの話も含めて、前回の出来事について意見を訊いてみる。

「私には茶番にしか見えなかった」

「やはりそう見えたか」

「今度は何をしてくるのか凄い楽しみ」

「…何が『楽しみ』だよ…」

 世界の危機が起こりまくる日常とか楽しめないから!少なくとも俺はね。

「何か起こるといいねー…」

「よくねぇよ…」

「何が起きるのがお望みで?」

「今は日影の温もり以外望みはないよ」

 ………。

「なんだ、急に黙り込んで…」

 何か変な事言った感じはあったんだが…。何か変な事を言ったようだ。

「すまん、何か変な事言ったか?」

 黙ったまま窓の方を見て、照れている顔をしているのか、呆れている顔をしているのか分からない日影を見ていると、突然口を開く。

「空に何かが浮かんでいる…」

 その言葉に誘われ窓を見ると、何かしらの名状しがたい要塞のようなものが。

「今度は何なんだ…」

「本当に何なんだろう…。こんな所に空中要塞デスモー」

「それではないだろう…。日影だけゲームの世界に迷い込んでいるのか?」

 何なのか確認するため、一応先生に連絡だ。

 話を聞いて直ぐに来た先生は、浮かんでいるものを見て、すぐ口を開いた。

「天空魔城だ…。禁忌の書物によると、数百年に一度現れるとされているもので、今は誰もいない廃城だという」

「なんでそんなものが…」

「その本によると、空に住もうとした者が造ったものだというが…。どうなんだか」

「行ってみるの?」

「…いや、まずは組織の方で情報収集しよう」

 まさか、そんなものまで組織は制御しているのか?一体組織はどこまでその手を伸ばしているんだ…。


 組織の施設へ。以前の戦いで入り口付近は変わり果てた姿にはなってはいるが、奥へ入れば何ともない。

 そして、再びボスとご対面。

 事情を話すと、驚いたように空を見上げる。気づいていなかった…のか。

「これは驚いた…。では、任務を授けよう。内部を確認してきてくれ」

 …またやることが増えた。もう嫌だ、もう死んでもいいや。

「…なあ日影、あいつは本当に知らなかったのか?それともとぼけていたのか?」

「よく分からない。罠である可能性もあるけれど、やってみないと何とも言えない」

「…最近はよく会話を交わしているな。私に聞こえないような声で…」

 流石に毎日こんなひそひそ話を見せられ、学校でも深く考えていたり、色々気になっているのだろう。

「楽しい楽しいお話をしているだけさ。先生とは関係のないね」

「その通り」

 いつもはふざけて話を拗らせようとする日影が、素直に話を合わせてくれるとは驚いた。それを見て、先生は深い詮索を…。

「そう言われると気になるなぁ…。…私も混ぜろぉ」

 止めなかった▼

「まぁ、気になることは早く解決しないとな…。早く行くよ先生」

 俺たちは逃げだした!

「もー…教えてよぉ…」

 しかしまわりこまれてしまった!

「で、どうやって行くんだ…?」

「こうやって、こうやって………」




 いつになったら面倒な日常が終わるのか…。

 楽しい日々はいつになったら来るんですか!

 ホワイトホール白い明日はどこー…。

 

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