前半
yです。あらすじ書くのとタイトルとタグつけるのが凄い苦手なことが判明しました。
まずは全2話の予定です。気が向いたら話数を増やすかもしれません。よろしくお願い致します。
-子供の声が聞こえる。
笑い声や泣き声、何を話しているかは分らないが大小様々な声が響く。
意識が覚醒していっているのか、全身に冷たさを感じ始める。閉じていた目をそっと開けた。
…目の前には5歳くらいの男の子。すぐに目が合う。
「おねーさん、やっと起きたね」
ニッコリと笑顔で言ってくれるのは構わないのですが、ここはどこでしょうか。そして貴方は誰なんでしょう。
「ちょ、何かしゃべってよ…。もしかして声出ない?大丈夫?」
「いえ…。声は出るみたいです。」
誰しも目覚めた時に目の前に知らない方がいると驚くとは思うのですが。…どうやら、床で寝ていたようです。少なくとも見える景色は全体的に鉄っぽい色合いですので自分の家ではないことは確実です。起き上がろうとしますが腕と足に違和感を覚えます。…実物は初めて見ました。手と足に枷がつけられていたようです。両方を繋ぐ鎖は短く、動かすとカシャカシャと音を立てます。気付いてしまうと気持ち悪いものでズッシリと枷の重みと、金属の冷たさが伝わってきます。
「…ここは、どこなんでしょうか?あと、帰宅することは可能でしょうか?課題とイベントが待っているので家に戻りたいです」
拘束される経験はありませんので起き上がるのに一苦労しましたが、なんとか横になった状態から座った状態へと移行した上で話しかけます。…帰宅途中にここに連れられたみたいで制服でした。あまりそこらの記憶が曖昧な為どのタイミングでどうやって来たのか謎が多すぎます。そろそろ総まとめのテストが控えているため課題が多く、取り組まないと自身が地獄を見ることになります。また私が大好きなアプリのイベントが開催中ですのでこんなわけのわからないところから出なければという気持ちが強いのです。
「こんな状況でイベントを重要視するなんておねーさん肝が据わってるよね…。ここはどこかって言われたら俺にもちゃんと説明はできないんだけどさ。多分もうそろそろアイツ来ちゃうから重要なことだけ」
アイツって言葉は小さめにして話します。彼は困ったようにポリポリと頬をかきます。アイツってどちらさまでしょうかと聞こうとしたら途中で口元に指を当てられ、言う事を止められました。…見た目は5歳児くらいなのに妙に大人びてることに驚きを隠せません。
あとイベントは無課金でトップランカーになれてしまっただけで、どうせなら最後までキープしたいだけなので肝が云々ではないです。
「起き上がってもらったところ悪いんだけど、元の姿勢戻って。で、なにがあっても絶対目を開けたら駄目だから」
そういって横の姿勢にさせられます。中々に動きづらいです。ガシャガシャと耳障りな音が響きます。本当に動きを制限されるものなんですね。
また目を開けたらダメというのはどういうことでしょうか?
もしや、これは漫画とかでよくある『私に〇〇するつもりでしょう!エロ同人みたいに!!』みたいな台詞を使える時が来たのでしょうか?
…おっとかなり苦い顔されました。大人向けな内容なのに理解してしまったのでしょうか?…この子は一体どんな生活を送っていたのでしょう。
「全く…。兎に角、もうこれ以上俺が手助け出来ることはないんだよね。」
---あとは瑞希次第でしかないから
最後の方の言葉は聞こえませんでしたが、好奇心で少しだけ覚えた読唇術で言葉を読み取ります。…何故、この子は私の名前を知っているのでしょうか。その瞬間何となくですが最近連絡の取れなくなった兄が懐かしくなりました。
「……もしかして、兄さん?」
私の兄は既に社会人の為忙しい毎日を送っているはずです。年齢的にも目の前にいる幼子なはずはないということは頭では理解していましたが思わずそんな質問が出ていました。
幼子はニカッと笑って、私の耳元で囁きます。
「あとはおねーさん次第だからね。無事逃げれるように祈っとくよ」
それじゃ
と彼は離れていきます。待ってください逃げれるってどういうことでしょう。逃げられない場合もあるのでしょうか?
動こうとしたら途端に空気がピリピリとしたので怖くて彼の言われた通り目をつぶることにしました。
ギィイと嫌な音を立てて扉か何かが開く音が聞こえます。先程まで様々な高さが混じりあっていた子供の声も聞こえなくなります。
嫌な緊張感が空間を支配しているようです。…何故だか凄い嫌な予感がします。拘束された状態で嫌な予感も何もありませんけど。
「……………」
低めの声が響きます。何を言ってるかまでは聞き取れませんが、心臓が痛くなります。何故だか怖くなりギュッと目を瞑りました。
突然、何か投げ飛ばされる音。その後、コツコツと足音だけが響きます。こちらに近づいてきているようです。
足音が止まったと同時に、首に冷たい何かが触れました。




