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エピローグ
まだ、登校するには少し早い時間の中、一人学校へと足を運ぶ青年の姿があった。彼の名は、剣山 竜司。やる気のなさそうな眼をした黒髪を持つ、高校2年生だ。
彼が教室に向かうと、すでに何人か人がいるようで、話し声が聞こえてくる。そんな事は気にせずに席に向かい、最近はまっている本を読もうと取り出した瞬間ーー
「うわっ!なんだこれっ⁉︎」
声がした方へ目を向けると、一人の男子生徒が床を見て驚いている。他の生徒達も驚いているようだ。自分もつられて下に目を向けると、そこには白く輝く魔方陣らしきものが描かれていた。驚いて固まっていると、それはより強い輝きを放ち、光が教室を満たしていった。身体が光に包まれた瞬間、彼は穴に吸い込まれる様な感覚を覚え、彼の意識はチャイムが鳴り響くと同時に地球から消え去った。