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壊変

登場人物


館山仁たてやまじん 15歳

小狭長義任おさながよしとう 15歳

御厨礼儀みくりやまさのり 15歳

犬懸智美いぬがけさとみ 15歳

朝夷忠あさひなただし 15歳

神餘信道かなまりのぶみち 15歳

東条孝とうじょうたかし 15歳

那古悌順なこやすより 15歳


清和邑弥せいわさとみ 40歳 元山王大学附属病院産科看護師

保田修一ほだしゅういち 40歳 フリージャーナリスト


古河詩織こがしおり 19歳 智美の従姉 山王大学生

安秀芙美あんしゅうふみ ?歳

春木妙はるきたえ ?歳

どんだけ無防備なんだろうね、このボウヤは。

こちらに気付く様子も見せず、スタスタ歩いている。

にやりと笑う芙美。

背後から、四肢を絡め取るように気を放つ。

これで動けなくなるはず……だった。

……なんだって?

困惑する芙美。

空振りした?

弾かれたとか吸収されたとかではない。

かわせる筈がない、なのに何故?

再度気を練る。

今度こそ!

鎌首を擡げる黒い大蛇。

さぁ、どうだい?

首筋を狙って襲い掛かる。

やったか?

……有り得ない。

確実に仕留めたと思ったのに……。

霧散した?

何だよこれは?

こんな経験は一度も無い。

何かがおかしい、孝の頭の中を覗き見る芙美。

町並み?周りの景色だけ?

何の感情も持たずに風景を眺めているだって?

痴呆かよ……。

普通なら悩み事や欲望、喜怒哀楽、何かしらの感情で満たされているのに。

特に何かを考えるでもなく、ただ歩いているだけなんて。

……やはりロストアンフィニの能力者か。

無心に近い状態、得体の知れない何かを感じる。

まぁ、多少歯応えがあったほうがいいってもんさ。


「かわしてるな」

様子を見守る仁。

「村雨だ」

「ムラサメ?」

智美が言う聞きなれない言葉。

「ナニソレ?」

「孝ちゃん、名前付けてた。意味はわかんないけど村雨って」

「ふ~~ん」

「仁君のは青い海の波で、青海波って呼んでるよ」

「勝手に名付けるなwwwでもまあ、言い得て妙か」

気に入ってくれたようでなによりだw

「おばんですぅ」

礼儀が合流する。

「敵さん、攻撃が通じなくてイラついてるみたいだな」

今のところ問題は無いようだが、このままで終わるとは思えない。

「礼儀ならどう攻撃する?」

仁が問い掛ける。

ESP(超感覚的知覚)を無効化出来る相手とどう戦うか?

「当然、物理攻撃だな」

「だよな」

「物をぶつけるってこと?」

不安そうに智美が尋ねる。

「そう言うこと」

「どうやるの?」

その辺の小石を拾って投げる訳ではあるまい。

「PK(念動力)型ならそのまま物をぶつければいいし、ESP型なら意思エネルギーを物理エネルギーに変換すればいい」

「変換って?」

仁の説明では飲み込めないようだ、邑弥が補足する。

「重い物を持ち上げておいて、落とせばいいのよ。重力や慣性を利用するの」

「なるほど……」

さて、本当に理解出来たのだろうか?

「ちょっ、なんだよあれ?」

詩織と同じような風貌の芙美にむっとしながら、信道が現れた。

「顔までは真似されてないみたいだけど」

智美が言う。

完璧にコピーされて、気すら感じさせなかったら誰もわからないだろうと思う。

「ちょっと化けの皮剥がしに行って来る!」

待てwww信道wwww落ち着けwwwww

仁、礼儀、智美に制止され、しぶしぶ断念する信道。

確かにいい気はしないだろうが。


かなりイラついてるな。

背後の芙美の気配にほくそ笑む孝。

さて、そろそろ来るか?

案の定、周囲の物体を孝目掛け投げ付ける芙美。

人気が無い場所に誘い込んだのは正解だった。

ここまでは予想通り。

飛来する物をバリアで防ぐ孝。

元々サイコキネシス使いなんだよね。

にやりと笑い、ゆっくりと振り返った。


「お前……気付いてたのか」

唇をかみ締める芙美。

攻撃を全て見切られ、イライラがマックス。

「安秀芙美さん?聞きたいことが山ほどあるんだけど」

何故名前を知っている?この糞ガキが!

「嫌だって言ったら?」

「手荒な真似したくないんで、大人しく話して貰えると有り難いんだけど」

何タメ口きいてるワケ?あぁ?

「ふざけんじゃないよ」

どす黒い気が噴出す。

「アンフィニって何?」

気にも留めず質問する。

「失敗作って?」

「誰が何の為に作ったの?」

「能力使って、何しようとしてるの?」

当然、芙美は何も答えない。

だけど……。

仁、智美、邑弥さん。

彼らなら何か読み取ってくれるはず、芙美の意識を深層まで。

通じない精神汚染、物理攻撃。

それでも繰り出す芙美。

その全てを無効化する孝。

「俺達のこと、どこまで知ってる?」

「15年前の出来事知ってる?」

「仲間は何人?能力は?」

「あんたらのボスって誰?名前は?」

きぃいいいいいいい!!!

奇声を上げる芙美。

真っ赤に充血した目で、孝に迫る。

「もう一度聞く。アンフィニって何?」

孝の首を絞めようと、両手を伸ばす芙美。

バリアに邪魔されて触れることすら叶わない。

糞ガキ、糞ガキ、糞ガキ、糞ガキ、糞ガキ……。

テレパスでは無い孝にも読み取れる。

さて、どう収集つけようか?

孝は頭を抱えた。

次話:伏兵 かな?('A`)?

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