会同
登場人物
館山仁 15歳
小狭長義任 15歳
御厨礼儀 15歳
犬懸智美 15歳
朝夷忠 15歳
神餘信道 15歳
東条孝 15歳
那古悌順 15歳
清和邑弥 40歳 元山王大学附属病院産科看護師
保田修一 40歳 フリージャーナリスト
市川静峰 15歳
北条時乃 15歳
三浦比奈季 15歳
豊島花音 15歳
古河詩織 19歳 智美の従姉 山王大学生
橘乙姫 7歳
清和須弥 邑弥の母
今坂文照 保田の後輩
東条信乃 孝の母
朝夷睦月 忠の妹
本郷円 7歳
太田部郁代 沙羅樹山ホーム園長
安秀芙美 ?歳
「おはよう」
皆が驚きの表情でこちらを見ている。
いつもの好奇の眼差しとはとは違う。
何だろうか、まぁ深く考えるのはよしとこう。
「忠~」
悌順がやって来た、また、みんな驚いている。
体格がよく、柔道が強いってことで一目置かれているとか。
「片付けとか大丈夫か?」
夕べの火事の後始末ならとりあえずは。
「別棟の仮住まいでなんとかね」
部屋は水浸しでどうしようもなくなったけど、円ちゃんと乙姫ちゃんが助かったし万事OK。
「足りないものとかあったら、遠慮しないで言ってくれよな」
そう言い置いて出て行く悌順、背中に視線浴びまくってるな。。
そう言えば、豊島は……まだか?
登校中に耳に入った嫌な噂話を思い返す。
豊島が放火したんじゃないかと、血相を変えて園から出てきたのを何人もが目撃していると。
「おはよう」
豊島だ……が。
静まり返る教室……おいおい、これじゃあいつもと逆だろ。
取り巻き連中も腫れ物を触るように……。
何なんだこいつら……。
確かに、俺も見たけど、豊島がそんなことするわけないだろ。
でも、どうでもいいんだよな?自問する忠。
……いいわけないだろ!
「おはよう!豊島」
土曜日、朝から沙羅樹山ホームに集う面々。
邑弥と保田。
仁、義任、礼儀、智美、忠、信道、孝、悌順。
比奈季、時乃、詩織。
そして、悌順にべったり寄り添う乙姫。
女性陣を警戒しているような感があるが?
「きゃ~♪お人形さんみたい」
智美と比奈季がしゃがみ込んで顔を覗く。
「悌順さんの彼女?カワイイね」
時乃の冗談?に困り顔で答える悌順。
「いや、まだ小二だって……」
光源氏計画か……やるな、悌順。
彼女って言われて。乙姫は嬉しそうな顔してるぞ、おいwww
しかし……ミニチュア版智美にしか見えないわwwwww
「ふ~~ん、悌順ってロリコンだったのか()驚愕」
義任もちゃかしに入る。
「やめろwww」
大きな体で必死になって否定するが、結構お似合いかもよ。
「皆さん忠君のお友達?」
驚いた様子の郁代、当の本人は無理も無いと苦笑いしている。
円ちゃんも乙姫の元へ駆け寄り、火事の恐怖など忘れたかのようにきゃっきゃやってる。
「後片付けとか、お手伝い出来ることがあればと思いまして」
代表して話しかける邑弥。
「それは有り難う御座います。まだ危険な場所もありますから、無理はなさらないで下さいね」
深々と頭を垂れる郁代、少し疲れた感が否めない。
鎮火後の現場検証やら関係各所への連絡対応に追われていたのだろう。
電源を切った電気フライヤーからの出火と保田から聞いた。
接点溶融やら何やら小難しい事を言っていたが、何れにせよ誰かが責任をとらされるんだろうなぁ。
まぁ、この娘達が助かって本当に良かった。
焼け焦げた建屋を見上げながら、孝はつくづく思った。
保田は考えていた。
邑弥が探していた新生児室の8人。
自分の子供と言っても差し支えないような彼らは、特殊な能力を持つという。
こうやって見ていると、そんな感じは受けないんだがな。
どこにでもいるような普通の高校生だ。
あの夜、邑弥達を送り届けてから調べなおしてみたが、何ら目新しい情報は見つからなかった。
15年前か……、大きく溜息をつく。
悩みの種はそれだけではないし。
邑弥の告白に対して、まだまともに返事をしていない。
来る途中も何も離せなかった。
いつまででも待つと言っておきながら……。
「どうかしたんですか?保田さん」
信道が心配そうに声を掛けてくる。
この際だ、ストレートに聞いてみよう。
「君達の能力の事は、周りの皆は知らないの?」
恐る恐る問い掛ける保田。
邑弥の告白に関しては知らされていなかったのだろうか、一瞬おや?と言う表情を見せつつも素直に答える信道。
「そうですね、一般人には気付かれないようにしていますからね」
やはりそうか、世間に知れ渡ったらとんでもない事になるしな。
「知っているのは敵対する能力者と保田さん、……それから、あと一人」
敵対って……そんな話は聞いてないけど?
眉を顰める保田には気付かなかったのか、辺りを見回し一人の女の子を指し示す信道。
「比奈季ちゃん、礼儀の彼女だけは知ってます。俺達の事を」
「あの……さ、彼氏、礼儀君の能力のことは知っているんだよね」
尻込みしつつ比奈季に問い掛ける保田。
「ええ、何か隠していると思っていたらエスパーでしたw」
あっけらかんとしてるのな、その上で付き合ってるのか。
「例えばだけど……心の中を勝手に読まれたりとか、プライバシー覗かれたりとか、危険な目にあったりとか嫌じゃない?」
「信じてますから」
即答する比奈季。
おまけに馬鹿な質問とばかりに、クスリと笑う。
それだけ……?
あまりの単純明快さに拍子抜けする保田。
逆に比奈季が質問を浴びせかける。
「他に何が必要なんです?」
言われてみれば確かに……。
「超能力が有るとか無いとか関係ないです。私はただ単純に彼のことが好きなんです(あ、言っちゃった)」
実にシンプル……、やはり年をとると頭が固くなるようだ。
物事を単純に考える事が出来なくなっていたんだな。
「ありがとうね。なんだか吹っ切れた気がする」
保田は満面の笑みを浮かべた。
会同:南総里見八犬伝の五犬士会同より




