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第47話 プラレール運転会in日光

 アイルと里緒菜を見送った日、ルナは上野駅に再度行ってみたが、上野駅は元の、ルナの世界の物になっていた。しかし、どういうわけか地平ホームがやけに賑やかだった。


 そして、ルナの自宅アパートの窓から線路を眺めていると、ブルートレインがやって来たのだ。それも、EF80電気機関車に牽引される20系客車と言う編成だ。EF80など、碓氷峠鉄道文化むらの63号機と、大宮工場にいた36号機(2017年頃解体処分)以外に見たこともない。


 また、20系客車のテールマークには「ゆうづる」と書かれていた。

 そして、その後、学校に行くも、東京メトロ銀座線の車両はアイル達が来た時に乗った車両だったり、浅草駅前に路面電車が走っていたりと、ルナの世界とアイルの世界が衝突しているような状態になっているのだ。

 何よりも、東京スカイツリーも全体の3分の2がぼやけて見えるのはどういうことなのだろうか。


 それでも、浅草を7時50分に出る特急「スペーシアX1号」は今日も変わらず、白い車体に朝日を浴びて、隅田川を渡り一路、東武日光へと出発していく。


(どうなっているのだろう。)


 そんな事を思っていた矢先、昼休み中のルナの元にプラレール運転会のメンバーから次回のプラレール運転会についての詳細の連絡が来た。


「前回の東武全網羅は設営から撤収、その他諸々で大変な思いをした。今回もまた、東武になってしまうが―。」


 と切り出され、内容は、下今市駅を拠点にSL大樹を中心にした日光鬼怒川地区の東武線を再現するという物だ。


 再現区間は(南栗橋車両管区)―栗橋―栃木―新栃木―(南栗橋車両管区新栃木派出)―東武金崎―新鹿沼―下小代―下今市―東武日光の東武日光線を中心に、新栃木で分岐する東武宇都宮線と、下今市で分岐する鬼怒川線も再現するという。

 会場は、東武ワールドスクウェアのコンペンションハウスだという。

 念願の東武ワールドスクウェアへの訪問が叶う形になったのだが、鬼怒川温泉が目の前と言う場所だけに、ルナは一瞬迷ったが、出席と連絡した。


 また、アイルの世界に巻き込まれてしまうと思ったのだが、プラレール運転会となれば話は別だろうとも思ったのだ。


 それからしばらくの後、プラレール運転会に向かう。

 連絡を受けてからこの日までの間、ルナは数回、東武鉄道南栗橋車両管区及び、日光市役所や下今市駅で来春からの職場見学と事前研修を受けていた。

 その時も、アイルの姿こそ現れなかったが、南栗橋車両管区には引退したはずの旧型電車の姿や、下今市機関区にB1型蒸気機関車の姿、下今市駅付近の街並みの変化が見られ、特に、引退したはずの車両については現場の職員に質問したが、「何を言っている?まだまだ現役だぞ。」と言う答えが(こいつは本当に鉄道好きなのか?何も知らないではないか。)という態度と共に帰って来たのだ。

 気味が悪く、内定辞退をも考えたが、どんな形であれ、自分が好きな日光・鬼怒川地区のSL大樹に関連する職業に就けるのだから、意味の分からない事のために、それを蹴る事は無い。

 しかし、アイルとアイルの世界というルナにとって明らかに異質な存在がある限り、安心して日光・鬼怒川地区への移住が出来ないのも事実だ。


 そのために、職場や居住地でミスマッチが発生してしまえば、取り返しのつかない事にもなるだろう。


(まぁ、宇宙飛行士や天文学者の道も勧められ、流されるように、岩倉高校蹴っ飛ばして普通科の高校に行って、見事に自分ではどうすることも出来ない事態に遭遇して、見事に勧められた道を断たれてしまった奴が言うのもあれだけど。岩倉に行っていたら、東武の総合職や現業へ一直線だっただろうに。)


 と、ルナは溜め息を吐いた。


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