表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/49

第11話 眼鏡の女性

 練習ダイヤの後、本番ダイヤを行う。

 本番ダイヤはちょっとしたトラブルはあったものの、本番ダイヤは各所でトラブル無く終わる。

 下今市担当のルナも、最後のSL用客車を南栗橋まで回送するのを見送って無事終了。

 皆で拍手喝采から、反省会を行う。

 やはり、練習ダイヤでのルナの絶叫と悲鳴が笑いのタネになり、当のルナも「次回もまた、滅茶苦茶絶叫します!」と笑いを誘った。

 撤収作業を終えると、18時を回っていた。

 ルナは東向島駅前のファストフード店で夕食を食べてから帰ろうと思った。


「お疲れさまでした。」


 女性の声。


「夕食はこれからでしょう?一緒に行きましょう。ルナ。」

「-!?」


 ルナは振り返る。

 振り返ると、長身に眼鏡を掛けた女性がルナを見つめていた。


「アイルも行きたいと言ってましたが、今日は仕事を外せず。私が代わりに見ておりました。初回?の時の絶叫は―。笑いをこらえるのに必死でした。しかし、貴方もアイルと結婚した後、下今市か鬼怒川温泉の駅で、本物の列車で、あのような事をやるのでしょうか?」

「えっと?」

「夕食に行きましょう。浅草に良いお店を知ってます。あぁ、ルナのおすすめでも良いですが。或いは、日本橋に出ても良いですが、私の終電の時刻もありますので、浅草で勘弁してください。」

「何時の列車に乗るのでしょうか?」

「22時発の特急です。」

「特急「リバティーけごん255号」ですね。新栃木行きの。それで―。」

「栃木までですよ?ああ、呑み過ぎても新栃木止まりですから安心ですよ。」


 眼鏡を掛けた女性は首を傾げながらも、最後の部分で微笑んだ。

 だが、ルナの知り合いに、長身にして、容姿端麗。眼鏡を掛けたその姿はまさに科学者という女性は居ない。

 ルナは今の会話で、この目の前に居る女性は、どこの何者なのかを探ったのだ。


(栃木あたりの方?SL観光アテンダントのお姉さんに、こんな容姿の方が居たな。名前は知らないけど。もしや、見に来たのか?SL観光アテンダントのお姉さんが?というか、さっき、アイルがどうしたこうした言っていたような?)


 ルナは思いながら、眼鏡を掛けた女性と共に東向島駅まで歩く。


「おっルナ!なんだぃデートか?」


 からかわれる。


「いっいやぁ。」


 ルナはお茶を濁す。


「あぁ、次は熊谷で秩父鉄道オンリーか、東武の日光鬼怒川地区オンリーだからな!熊谷なら八木橋百貨店、東武ならまた東武博物館に来いよ!」

「オッケーっ!」

「詳細と場所が決まったら連絡する。じゃあな!」


 プラレール運転会のメンバーと笑い合って別れる。

 彼等は東向島駅の改札を抜けて行ったが、ルナは正体不明の眼鏡を掛けた女性と夕食会となってしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ